『この世界の片隅で』の著者こうの史代さんの漫画。
夕凪の街:
原爆投下で死ねなかった平野皆実さんが、自分は生きていて良いのか自問する話。
投下後の死体の散乱する中で、見殺しにしたり死体を踏んだり死体から盗んだり、その状況に慣れたりしてしまった自分に対してずっと負い目があり、人並みの幸せを得ることが罪のように感じていた。
打越さんによって自分を赦すことができて、ようやくこれから先に進んでいける・・・と思った矢先に急転直下。
原爆症が襲ってくるという、何ともやるせない内容。
何気に姉の霞さんも投下の年の10月に亡くなってるのね・・・。
桜の国(一):
夕凪の街の続編。
皆実さんの弟、旭君の、更に子供たちの世代の物語。
東子ちゃんと一緒に、入院している弟に春を届ける話。
この話だけ読んでると、少し暗い部分が隠されてる日常系みたいな印象。
ただ、夕凪の街を読んでいると、そして桜の国(二)を読むと「うわぁ・・・」ってなる。
桜の国(二):
描き下ろしらしいけど、こちらがメインだと思う。
不思議な行動(まさか呆けた??)をする父親(旭君)を、偶然(?)出会った東子ちゃんと一緒に尾行して広島まで行く話。
夕凪の街の後の旭君のことや、桜の国(一)での七波たちの置かれていた状況もわかるし、それが桜の国(二)に繋がっていることもわかる。
あとがきを読む限り、こうの史代さんが一番描きたかったのも、この話なんじゃないかなぁ。
・・・なんでこの話は雑誌掲載されなかったんだろう?
平和記念公園・平和資料館は修学旅行で行ったことがある。
事前にいろいろ聞いていてハードルが上がっていたのと、これは気持ち悪くなってよいものなのか?っていう意識があったため、自分は吐くほどではなかったけど、やはり気持ち悪くなってしまう人はいたみたい。
原爆症が数年後に突然発症するのは、自然放射線とかのせいで放射線の規定値を超えてしまうからなんだろうか?
花粉症みたいに。
ちなみに放射線は全く受けない方が良いか?と言われると、実はそうでもないらしい。
と、大学のときに助手の方が言ってた。
- 感想投稿日 : 2019年7月16日
- 読了日 : 2019年7月16日
- 本棚登録日 : 2019年7月16日
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