オランダ靴の謎【新版】 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ク 1-7)

  • 東京創元社 (2009年6月25日発売)
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感想 : 21
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『オランダ靴の謎』を読了。

ミステリファンで知らない人はいないであろうエラリー・クイーンの、国名シリーズ第三作。あとがきによれば、クイーンが作家を副業としていた時の最後の作品らしいです。副業として書いた作品がこれとは…。ちなみに国名シリーズの主人公は、作家と同名のエラリー・クイーンである。

読んでいて思ったこと。それは、クイーンの推理はどこまでも論理的だということ。数学的とも言えるかも知れない。

クイーンといえば“読者への挑戦”が有名。もちろん、『オランダ靴の謎』でも取り入れられている。オレも挑んでみたが、ダメだった。犯人は全く予想外の人物だった。

この作品は登場人物がかなり多く、絶対犯人じゃない人物、例えば刑事や検事を除いても20人以上は出てくる。国外ミステリは登場人物が多いイメージがつきものだが、本作も例外ではなかった。率直な理由として考えられるのは、やはり読者を迷わせるためなのだろうか。それと話作りのため。

それらの人物を少しづつ絡ませながらも、犯人を暴いたときは完全に納得できる内容だった。いろいろな条件の元に、誰々には可能だった、誰々には不可能だった、という論理的な推理。
まあ一番の鍵は、タイトルにもある「靴」なのだが。早々に出てきたのだが、オレにはついに解らなかった。

本格ミステリとしての出来は一級品。これが80年前の作品とは驚かされる。クリスティやカーと同じで、ミステリ黄金期の作家はやはり凄い!

クイーンの別シリーズ、悲劇四部作も読みたくなってしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年7月18日
読了日 : 2012年11月17日
本棚登録日 : 2012年11月17日

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