再読。何度目の再読か。しかしどうにも面白いんだからしょうがない。繊細で暴力的。柄谷行人の書いた本の中で、最もセクシーな本ではないか。とにかく大ひっくり返し大会である。主題は近代日本文学なんだけど、そもそも「思考」の基底を洗い直していくその手付きを追っていくと、美術だろうが演劇だろうが、あらゆる領域が新鮮に見えて来る。そして同時に、この書物の安易な援用はできないこともわかる。「方法」なんてない。たった一回きりの踏破があるだけだ。そういう意味では、椹木野依の「日本・現代・美術」は、この本の唯一最良のフォロワーなんだろうな。ってそんな事思うのは僕だけ?
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- 感想投稿日 : 2005年1月6日
- 本棚登録日 : 2005年1月6日
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