画家であり、絵本作家、エッセイストの伊勢英子さん。彼女の中にいつしか棲みついたという2人の人物。賢治とゴッホ。
アルルを旅すれば「賢治」が、小岩井や花巻を歩けば「ゴッホ」が現れてくるという伊勢さん。2人の類似点はともに37歳という若さで亡くなったというだけでなく、親の過度の期待や愛情、特定の弟妹への強い愛情、敬虔な宗教心、そして孤独。
賢治の作品もゴッホの絵画もあまりに有名で、それなりに知ってはいるつもりだったけど、それが「イメージ」でしかないことがわかりました。知れば知るほど、苦しくてたまらなくなります。
2人の足跡を追う旅は、もう一人の絵描きである「父」を探す旅であったのかもしれません。
あぁ、それにしても「伊勢英子」さんという人の存在感は!半年経った今も胸に迫るものがあります。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ア行の作家
- 感想投稿日 : 2010年2月16日
- 読了日 : 2010年2月14日
- 本棚登録日 : 2010年2月14日
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