建築の東京

著者 :
  • みすず書房 (2020年4月22日発売)
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本棚登録 : 126
感想 : 12
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わりと面白かった。
前半は震災やリーマンショック、同時多発テロ以降の東京の都市景観が保守的になり建築家の活躍の場も減り、ゼネコンや組織設計事務所による存在感を消すような腰巻ビルが増え、ランドマークが作られなくなっているという話。納得感はあるが、であれば、建築家の言説よりも企業の意思決定や経済の原理を掘り下げてくれた方が面白かったと思う。
文中にちらっと出てくるが、IT成金が普請道楽だったらと考えると面白い。
後半はザハ・ハディドの新国立競技場の話がメイン。発注者側の責任というか覚悟の足りなさはどの業界でも変わらんなあ。ザハ・ハディドが亡くなったのは残念。
あと、やっぱりこの人は丹下vs隈みたいに話が東大から広がっていかないところがある。鈴木博之もそんなところがあったように思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2021年3月30日
読了日 : 2021年3月30日
本棚登録日 : 2021年3月11日

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