散華 下巻: 紫式部の生涯 (中公文庫 す 3-16)

著者 :
  • 中央公論新社 (1994年2月1日発売)
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感想 : 8
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長い紫式部の生涯を読み終えて、上巻はほとんど子供時代で長すぎると思いましたが、下巻は結婚生活そして宮仕えの流れなど、あまりそこまでの長い小説としては読んだことがなかったので、とても新鮮で小市の性格もとても細やかに描かれていて、源氏物語がどのように形付けられたのかのエピソードがとてもうなずける。平安時代の結婚の形や家の繁栄など、リアルに描かれたところも良かった。平安といえど、決して安心できない世情も容赦なく描かれていて、ただ宮廷の雅やかな部分だけじゃないところが無常感と哀愁を感じさせる読後感だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年8月1日
読了日 : 2023年12月1日
本棚登録日 : 2021年9月29日

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