半年ほど前に本屋さんで衝動買いした。帯の「疲れた心に必ず効く、読む特効薬。」という言葉に惹かれて。
直感で選んだ本というのは、本の方から何かを発してきていて、この時もやっぱり、この本の方から私に声をかけてきてたんだと思う。でも、半年積ん読になっていた。
アラフォー独身女性が主人公の短編小説6編。アラフォーにもなると、恋やら結婚やらと浮いた話より、自分らしい働き方に自信が出てくる反面、年老いていく親の姿を見ざるを得ない。身近な人の「死」というものにも触れる。でも、年取るって嫌だね、っていうのじゃなくて。それが人生で、それが味わい深くもあるのかもしれない。
文庫本のタイトルは、けっこう平凡なんだけど、短編のタイトルはどれも洒落てて、海外の料理や建築物の様子など、マハさんらしいなぁと思う。
そして、「疲れた心に効く、特効薬。」
その名のとおり、『緑陰のマナ』の話で涙腺が崩壊し、10分くらい中断して、タオルで顔を覆っていた。すっきりデトックスできた。泣くって浄化作用があるね。
こういう小説に味わいを感じられるほど、私、大人になったんだなと思って、ちょっとうれしかった。
年をとるのも、悪くない。でも、もうちょっと食事に気をつけないとな。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
女性の生き方
- 感想投稿日 : 2020年9月21日
- 読了日 : 2020年9月19日
- 本棚登録日 : 2020年9月21日
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