探偵チームKZ事件ノート お姫さまドレスは知っている (講談社青い鳥文庫)

  • 講談社 (2014年7月11日発売)
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本棚登録 : 393
感想 : 10
3

今の子達が読むのはどんなお話し??と思いつつ読んだ。
一言で感想を言うと
『現代の中学生、万能すぎる…』でした。
いや。単に万能な中学生という設定なだけかもしれないけど……。
おばちゃん、ついて行けないわ……すごく自分が年を取ったような感じがした。

けど、一部シーンは『昭和か??』と思うようなものもあり、いろんな点でちぐはぐな感じもする。



お話しは、万能中学生(万能すぎる)4人の男の子と平凡な女の子の探偵チームの話。



シリーズもので、一応『何処からでも読める』となっているけど、やはり途中からだとキャラクターや人間関係が分からない点が多い。



そもそも、なぜ、凡人主人公の女の子が、文武両道の4人(3人?)の男の子と関わっているのか。……最初の方でサラッと『ハプニング』という説明がされているけど、『ハプニング』という説明以外がないので結局、なぜ関わっているのか分からない。
最初の物語を読め……と言う事なのだろうけど。

この本だけだと、人物がどんな関係性なのかイマイチ。



ついでに、最初、『塾』と『学校』の二つの場があると言う事に気がつけなかった。
うっかり『塾』も『学校』も同じと思ってしまっていた。
平凡主人公なのに、忙しいのね……中学一年生、帰宅時間は11時とか……全く知らない世界なので、驚いてしまった。

その後に学校の宿題もするの?寝る時間はどこ?







ネタバレ









最初の事件
『アイドル翼のマスク』事件。
翼がマスクをして学校にやってきたのは、ファンに顔を見られるのが嫌だからでは?という疑惑がわく。
主人公彩こと『アーヤ』は翼から、「においに敏感だからしている」と話してもらった。
それを見ていた、ボス的女子が、アーヤに聞くが、アーヤはごまかし、翼もそれを助ける。それが気に入らないボス的女子は「学校裏サイトで叩いてやる」と叫ぶ。



……感想……
最初から、マスクアイテムが出てくる。
今の状況だとマスクは当たり前のモノなので、問題にもならないだろうなぁと思いながら読んだ。
それにしても「学校裏サイト」なるものは、未だにあるの??
思わず、発行年度を見た。2014年。6年前……あるの?
私がそれを聞いたの……2000年代ぐらいだった気が。まだ「裏サイト」って存在してるの??



おばちゃん、今の時代の中学生が分からない。





私が子供の頃の本だったら、「無視してやる」ぐらいだったし、悪口もインターネットではなくて、その場で流されるだけだった。
うーん。まぁ。やることは変わらないのか?結局、ターゲットに分からないように、こそこそはしてるんだし……。

………





次の事件。
『チームリーダー若武の脱退』事件。
サッカーチームから外された若武は、探偵チームからも脱退を宣言する。
代わりにダンス大会出場を決め、翼を相方に選ぶ。
探偵チームのメンバーは若武を応援する事にした。



……感想……
主人公と、探偵チームの他の男の子たちとの関係性が微妙で謎。
親しい幼馴染ではなさそうだし、一定の距離感があるのは分かる。
けど、その距離感で一緒に『探偵チーム』をやっているのは何故なのか、分からない。
大体、こーいうのって、男の子の中の誰かと親しくてその人繋がりで……みたいなのがありそうだけど、そんな感じは読み取れない。
男の子達とアーヤの間にはっきりと『距離』がある。
だから、アーヤの男の子たちのキャラ分析視点が入るのだと思う。
けど……『女子ばかりのグループだとボスがいて、その子の言った事に逆らえない』というのはどうなのかな……と思ってしまう。
つまりそれは、アーヤがいる世界がそんな世界だという事だけど、そんな女の子達と探偵チームの男の子たちを比較するのは、うーん。
『誰もが平等で、独立していて、自分の考えを持っている』という探偵チームの男の子。……いや。それはそーいうキャラ設定なだけでしょ。
なんかここで、『女の子と男の子の違い』みたいな対比は、気に入らない。

…………





3つ目の事件
『SFTS事件』
ダンスの練習中に翼が倒れた。
異常が無いように思えたけど、ダニを媒介して発症するSFTFと言う事が判った。
ダニを連れてきた猫はどこから、来たのか?調査が続く。



……感想……
感染症?まさかのここで、感染症の話なの?
マスクだけではなくて、『感染症』という言葉に『PCR』という言葉まで出てくる。
中学生……博学すぎる。コロナが広がってなかったら、耳にしなかっただろうPCRと言う言葉が出てくる。
SFTSは重症熱性血小板減少症候群…というものらしい。何それ長い。何で中学生がそんなのを知っているの?
そして、どうしたらいいかも知っているの。すごすぎる。
でも、中学生が国立感染症研究所に連絡して、大人が即動いてくれるものなの?という疑問がわく。まぁ。そんなリアルな話は脇に置いておくのが無難かな。

…………



最後の事件
『設計図ミス』
ダンスの練習場で使っていたビルには設計図ミスがあった事を突き止めた探偵チーム。
関係者を脅して、翼を感染症専門の病院へ移すことにする。

……感想……
中学生……中学生なの?何度も繰り返すけど、知識が半端ない。
ビル建築のあれこれや、設計図の話なんて、どうやって知るの?興味がないと知りようがない気がする。
親がそれ系の仕事と言う設定?それとも、本当のエリート中学生はジャンル関係なくすべての知識を持ってるの?
事件以外は省いているけど、服のデザインをして型紙を作って作る話とか…。
デザインなんてどうやるのか、なぜ知ってるの? しかも、『今までやった事がないけど』という話だったはずなのに、知識だけはある謎。
なんか、どこをどうしたら、そんなに知識を得られるのか知りたい。
わたしなんて興味の範囲内の知識しか持てないよ。

ただ、主人公女の子だけ『夜遅いから帰って』と帰されるの疑問。
男の子たちは夜遅くに、大人を脅しに行ったのに、同じチームの女の子は『帰れ』と仲間外れ。
これは単に関係性の距離感の問題なのか、 紳士なつもりなのか……紳士のつもりなら穴の中に埋めたい。

…………


ラスト
翼は回復して、若武はチームに戻り、ダンス大会は……??
と言う感じの終わりだった。

めでたしめでたしでした。




エリートってこんな子供達なの?夜中に大人を脅しに行くとか……物語だとしても疑問しかない。
親はどうしてるの???


親の姿は一切出てこないの不自然すぎる。放任主義の家庭だろうか。
中学生の行動力や知識はまだ分かるけど、『親不在』なのは謎すぎた。コ○ン君と同系統と思えばいいのかもしれないけど、モヤんとしてしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2023年12月14日
読了日 : 2020年8月26日
本棚登録日 : 2023年12月14日

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