2018/12/7読了。
甥っ子が「八犬伝を読みたい」と言い出したらしく、それなら八犬伝で卒論を書いたおじさんに子供向けの良いやつを選んでもらおうということになったそうで、そんなミッションが回ってきた。張り切って探し始めたところ、いま刊行されている各社の子供向けのダイジェストがあまりにひどいので絶望した(アニメ風な絵がついているのはまあ仕方ないにしても)。あんなのを甥に読ませたら、甥は馬鹿にされたと感じるか、八犬伝はつまらない話だと思うだろう。
そこで思い出したのがこれ。元が仏教儒教の概念てんこ盛りでエログロもたっぷりの大長編なわけだから、あれを子供が読める長さに縮めようとすると、どうしたって違う話にしなければならない。なるべく元の面白さのエッセンスを保っている翻案ということになると、馬琴好きの界隈では伝説的な本書の出番だろう。
おじさんの蔵書の中から、数年前に復刊ドットコムから出た復刻版を進呈することにした。それを底本にした文庫版も角川から出ているが、ルビがかなり省かれている。で、おじさんはその文庫版のさらに電子版でいま読んでいるというわけ。
NHK人形劇のシナリオのノベライズということで話の展開のテンポが良い。省略された設定やエピソード、逆に追加された新キャラやストーリーなどは数あれど、原作の大枠と面白さをうまく残して生かしている。甥は楽しんでくれるだろうか。少なくともおじさんはいま楽しんで読んでいる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文芸一般
- 感想投稿日 : 2018年12月8日
- 読了日 : 2018年12月7日
- 本棚登録日 : 2018年12月7日
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