とても面白い本でした.★4か★5か迷いますね…正確な評価を下すなら,★4.5です.
読み終えてからブクログやアマゾンのレビューを見て,(特にアマゾンでは)酷評が多いことに驚きました.
ですが,客観的に見て,引用の多さ等の独特の感じから,確かに好みがきっぱり分かれる本であることは理解できます.
“考える力”を手っ取り早く身につけるための,テンプレート化された簡潔なマニュアルを期待している方々には,本書は向きません.
しかし,僕自身の感覚としては,思考力なんてテンプレート化されたマニュアルを実行するだけで身につくものでは無いし,マニュアルの受け売りで生み出した思考なんて,何というか,浅はかさが有る気がしてなりません.つまり,「小手先のノウハウだけでどうにかなるものでは無く,(著者のような)他の人のやり方を参考にして,自分なりの方法を洗練していくのが大事」ということです.
僕は新聞を読みませんし,小学生の時には持っていた国語辞典の類も,20代後半の今は1つも…という具合です.
新聞の購読はともかく,日本語の辞書はやはり家に有った方が良いなぁ…と,本書を読んで思いました.
加えて,強く感じたのは,色々な物事を知っている人の方が,やはり人間として深みがあるんだな…ということですね.
著者の引用は,僕が知らないことばかりで,とても刺激的でした.
その他,本書で特に気に入った内容は下記の通りです:
「力の差とは,力そのものの差であるよりは,自分自身で持っている力の引き出し方の差」
「時間を上手く使うことに拘っている間は,決して上手くは使えない」
「翻訳者の腕の善し悪しを考えて,その名前を覚えておく」
「良い本に出会うには,本をたくさん読む必要がある」
「遊び上手は仕事上手」
- 感想投稿日 : 2015年9月25日
- 読了日 : 2015年9月25日
- 本棚登録日 : 2015年9月25日
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