昔はよく、「好きな俳優は?」と聞かれたら、間髪いれずに、オダギリジョー!と答えていた。
この作品が公開されたのは2006年。映画館でも観たし、DVDでも観てたくらい大好きな作品で、とにかくこの頃の、特にこの作品のオダギリジョーが、オダギリジョー史上、最高に魅力的だと思うのだ。
とにかくオダギリジョーの色気がだだもれ。
もう彼自身コントロールできてない。
「舌出せよ、舌」の名エロシーン。裸ニット。
券売機で発券する姿すらエロい。
出かけ際に、あんなどエロい男からどエロいチューもらったら、一生忘れらんなくなる!
地元でつまらない人生を歩み、実家のガソリンスタンドを継ぐ兄を香川照之、
地元とつまらない人生から逃げ、東京でカメラマンをしている弟をオダギリジョーが演じている。
いやカメラマンて!オダギリジョーがカメラマン役を演じている、ってそれだけでなんかもうエロい!
この作品、新井浩文とピエール瀧も出てて、なんかすごいざわつく豪華役者陣…
公開当時は本当に、オダギリジョーのエロさにしが目がいってなくて、いや今回もそんな感じで何回も「えろーー」と言って10秒戻しを繰り返したシーンが多々あったわけだけど、ちなみにまだ咽頭炎治りきってないからめっちゃガサガサの声で「えろーー」とひとりごちていたわけだけど、人生を重ねたぶん、ちゃんと彼のクズさも分かったうえで、しかしかつそれがまた魅力の一つとなっているんだよな、とワンランク上のエロさに気付く。そしてこういう男は、やはり危険だよな、と妙に冷静になったりもして。
以前とはまた違った見方をしていた。
このお父さん(伊武雅刀)のところで育ったのは大変だっただろうな、であるとか、家族やきょうだいの葛藤、田舎で暮らすことの苦悩、とか。
「優しい兄」として本音を語らない兄、弟も弟で、めんどうになりそうなことは基本的には本音を出さない。だからこそ、お互いの本音を言うシーンや、お互いすでに知ってるけど口には出していなかった残酷な事実が本人同士ではなく法廷で明かされるシーンは観ていてなかなかしんどいものがあった。
実家に残って、つまらない人生を歩もうと決意した兄の本音と、そこから目を逸らして東京に逃げた弟の本音。
奪われる者と、奪う者。家族とは、きょうだいとは。
前はこんな見方できなかったな。
また何年か経って、どんな風にこの作品を観るか。心のメジャーになってくれそうな作品かもしれない。
この『ゆれる』というタイトル。作品に出てくる吊り橋がイメージされがちだけど、今回は、心のゆれ、関係性のゆれ、といった、目に見えないもののゆれを大きく感じたのでした。
- 感想投稿日 : 2023年12月10日
- 読了日 : 2023年12月9日
- 本棚登録日 : 2023年12月10日
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