この本おもしろい!いろいろ調べながら読んだら時間かかった…
自分は特にアニメ好きでもないし、アニメや映像に詳しくもないけれど、Booksasahi.com のいとうせいこうさんのレビューを読んで興味をもって手に取りました。
●ジェームス・スチュアート・ブラックトン「愉快な百面相」
●ウィンザー・マッケイ「リトル・ニモ」「恐竜ガーティー」
●フライシャー兄弟「インク壺から」「ベティ・ブープ」
●ディズニー「蒸気船ウィリー」
●「トムとジェリー」
●「バッグス・バニー」 など…
アニメーションがどのように誕生し、その表現がどうやって技術の革新とともに発展していったのか。
それぞれの時代のそれぞれの作品にはどのような工夫が込められていたのか。
いくつかの事例を手がかりに、丁寧に解説してくれます。
現在のアニメーションの技術は、特に日本でもものすごく発達したけれど、
例に挙がっているような昔のアニメーションが今ではただの稚拙なものだというわけでは全く無くて、
むしろ新しく手に入れたばかりの技術をどう生かしていこうか、っていう作り手の工夫が見れば見るほど伝わってきて面白い。
著者の細馬宏通さんのブログに、本の中に出てくるアニメーションでネット上で観られるもののリンクがありました。
http://www.12kai.com/wp/?cat=38
本の後半、言葉や音楽とアニメーション表現の関わりについて詳しく言及されているのも面白く読みました。
キャブ・キャロウェイやルイ・アームストロングといったジャズミュージシャンが「ベティ・ブープ」に関わっていたり、「トムとジェリー」でストーリーに合わせて音楽を作っていたスコット・ブラッドリーや、ワーナーのアニメーションで音楽を一手に引き受けていたカール・ストーリングについてなど。
Q. ミッキーはなぜ口笛を吹くのか?
A. 映像と音楽を同期させる技術が発達することによって実現した「リップ・シンク」の正確さを、最も良く表現できる手段の一つが、口笛を吹くミッキーを描くことだったから。
簡単に言ってしまえば上記のようなことだけれど、もしこの本が「アニメーションの表現史」とかいうタイトルだったら読まなかったかもなぁ…。
本のタイトルって大事。
- 感想投稿日 : 2014年2月8日
- 読了日 : 2014年2月7日
- 本棚登録日 : 2014年1月27日
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