これまで個人的に愛読してきた小説の影響をガンガンに受けて「面白すぎる..」って始終ニヤニヤしながら読み切った。
インテリ学生の若いエゴと独白スタイルといい、「めげちゃうね」「参ったね」「ぶっとんじまった」みたいな調子といい、ライ麦畑日本学生版を読んでる感覚だった。
庄司薫的にはこの小説を「ライ麦だ」なんて感性を持つ奴は「品性下劣」らしいし「舌噛んで死んじゃう」べきなんだろうけど、そう言われてもモチーフが酷似してるって...って突っ込みたくなる。
感性が魅力的なヒス気味の女の子とか、いちいち趣味嗜好の知性レベルに突っかかってくる同級生とか、ラストシーンちいさな女の子をきっかけに雨が上がって光が差してるような感じとか、ライ麦連想しても仕方ないと思うけどってモヤつくけど、ホールデン風に言えば「ちょっと電話をかけて話したくなっちゃう」作家だった。
↓特に好きだったところ
………….
「エンペドクレスって、世界で一番最初に、純粋に形而上学的な悩みから自殺したんですって。」
「へえ。」
「それでヴォスヴァイオスの火口に身を投げたんだけど、あとにサンダルが残っていて、きちんとそろえてあったんですって。」
「素敵ね、エンペドクレスって。」
「うん(?)」
「サンダルがきちんとそろえて脱いであったんですって。いいわあ。」
............
最高すぎて舌かんで死んじゃいたいわ!
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年1月31日
- 読了日 : 2023年1月31日
- 本棚登録日 : 2023年1月27日
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コメント 1件
てったんさんのコメント
2023/05/09