新記号論: 脳とメディアが出会うとき ゲンロン叢書

  • 株式会社ゲンロン (2019年3月13日発売)
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読んでおけてよかった一冊。
テクノロジーの視点からとらえた現代について、さらに哲学の視点からしっかりとらえなおすことができた。まだ理解しきれていないところもあるので、機会を見つけて咀嚼したい。
また、夢についても認識を新たにできてよかった。


■目次

・第1講義:記号論と脳科学
 -映画について
 -デリダの「ファルマコン」の問題とメディア論
 -現代記号論とアナログメディア
 -デジタルメディアの出現
 -言語中心主義に対する、新記号論における「文字」
 -メディアの「技術的無意識」
 -文字に関するいくつかの認知科学的知見

・第2講義:フロイトへの回帰
 -フロイトの「不思議メモ帳についての覚書」
 -フロイトの第一局在論と第二局在論
 -フロイトの心的装置モデルの原則(「第一局在論」以前の考察から)
 -第一局在論
 -物表象と一次過程・二次過程
 -フロイトの「夢の過程」
 -第二局在論
 -超自我と「集団の心」
 -ソシュールの立場(記号内在主義)
 -欲望と抑圧のコミュニケーション
 -第三のコミュニケーション
 -文系と理系との分離の行きついた先
 -夢と哲学問題

・第3講義:書き込みの体制 1.情動と身体 ──スベテが「伝わる」とき
 -ダマシオの樹と、フロイトとの類似性
 -記号の正逆ピラミッド
 -正逆ピラミッドの界面と情動/感情について
 -スピノザと身体性
 -テレビと「笑い」

・第3講義:書き込みの体制 2.記号と論理 ──スベテが「データ」になるとき
 -テクノロジー変遷と指標・類像・象徴のコミュニケーション
 -ブーニューとデリダの「現在」
 -『記号』接地問題
 -ボトムの界面にあるパラダイム
 -「記号の正逆ピラミッド」と夢」
 -述定と仮説形成(アブダクション)
 -パースとブーニューの『記号』設地問題
 -現象学の『記号』設置問題
 -まとめ:そもそも記号とはなにか、記号が成立するとはなにか

・第3講義:書き込みの体制 3.模倣と感染 ──スベテが「ネットワーク」になるとき
 -フロイトの「同一化」とスピノザの「模倣」」
 -感情の感染と権力
 -二〇世紀の資本主義の四つの柱
 -アメリカ型資本主義と消費
 -消費者というポジションから問う
 -まとめ

・4つの追伸 ハイパーコントロール社会について
・第1の追伸 文字学について
・第2の追伸 資本主義について
 -消費資本主義とヒトの情報化(可分子化)
 -図書館産業革命
 -超グーテンベルク的普遍図書館の世界
 -言語資本主義
・第3の追伸 権力について
 -アルゴリズム的統治性
 -アルゴリズム的統治は現実そのものを計算する
 -デジタル環境での自己の技法
 -一般文字学の問いとしてのエリクチュール
・第4の追伸 自由について
 -「自由」の問題の射程
 -リベットの実験(受動意識仮説)
 -パンデモニアムによるエージェンシー・モデルとしての自由の主体
 -データと無意識と自由
 -カルドンのデータ計算アルゴリズムの類型
 -ジルベール・シモンドンの心理的・集団的固体化
 -自由とは
 -固体化と共有、ちぐはぐなもの
 -自己のプラットフォームをどうつくれるか

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本:全般
感想投稿日 : 2020年11月16日
読了日 : 2020年10月29日
本棚登録日 : 2020年11月16日

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