量子力学で生命の謎を解く

  • SBクリエイティブ (2015年9月16日発売)
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感想 : 52
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生命は量子力学に頼っていると考える2人の研究者が最新の量子生物学について素人向けに解説しています。
前半の150ページほどを費やして、量子力学の不思議な世界観を初心者向けに丁寧に説明しており、特に二重スリットのくだりが秀逸で分かりやすい。
以前から個人的にとても興味をそそられている量子もつれの説明も面白かった。
何度か登場する「作ることができないものは理解したことにならない」というファインマンさんの言葉が印象的です。
現時点でも我々の技術では未だに生命を作りだせていない。酵素すら作れていない。
従ってどんな説も推論の域を出ないのだが、呼吸、光合成、嗅覚、渡り鳥の地磁気感知などに量子の振る舞いを利用しているという説は説得力がある。
遺伝子のコピーミス?である突然変異は何らかの量子ジャンプかも知れないという、シュレーディンガーの考察もすごいと思う。
植物は量子コンピュータ?人間の心は量子コンピュータ?といった話も出て来て興味がつきません。
科学の3大謎と言われる、宇宙の始まり、生命の始まり、意識の始まり。これらは、どのような仕組みか誰も知りません。
少し解ると、解っていないことが沢山出てくるので好奇心が膨らむばかりです。
量子力学のお勉強には、佐藤勝彦氏の"「量子論」を楽しむ本"がとても分かり易かったので、本書より先にこちらに目を通しておくと良いかも知れません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 生物
感想投稿日 : 2018年9月3日
読了日 : 2018年9月3日
本棚登録日 : 2018年2月24日

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