読んだら忘れない読書術

著者 :
  • サンマーク出版 (2015年4月10日発売)
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本棚登録 : 6365
感想 : 1151
4

精神科医の樺沢紫苑さんの語る読書術の本。
本書を読むまで知らなかったのだが、SNSでかなり有名な方らしい。
その職業柄か、大変読みやすく分かり易い。
「読んでも忘れてしまう読書は何の役にもたっていないのだから、やめなさい」とスタートから手厳しい。「記憶に残る読書術」が「自己成長に繋がる読書術」であり、それが「人生を変える読書術」であると。
何故この出だしかというのは、読みながら明らかになる。

精神科医として課しているミッションは「日本人の自殺・うつ病を減らすこと」。
精神疾患に限らず、病気で苦しむひとを一人でも減らしたいと言われる。
それには、病気についての知識を広げ、病気になる前に予防すること。
予防についての本は書店に行けばたくさんあるが、残念ながら一番読んで欲しいひとには読まれない。患者さんに小冊子を渡してもなかなか読まれないそうだ。
そこで、この本を出すことにより読書を習慣にする人を増やすことから始めようと。

「本に書かれている通りの方法を忠実に実践すれば、ほとんどの場合、悩みは解決するか、少なくとも軽減するはずです」(第一章 読書によって得られること4)
誤解されがちだが、本を読んだからと言って悩みが解決するわけではない。
本に書いてあることを、忠実に実践することで解決していくのだ。
だから、読んだことをそうそう簡単に忘れられては意味がない。
読んでも忘れないような読書には、どのようなコツがあるのか。以下、箇条書きで。

1.一週間に三回アウトプットすると記憶に残る。
  4つのアウトプットで記憶に残す方法が紹介されている。
  メモに取ったり人に話したりお勧めしたり、Facebook やTwitterに載せたり。
2.効果的に読書をする(スキマ時間読書術)
 今日一日でこの本を読むと目標設定をして、制限時間を決めること。
3.「速読」より「深読」を意識する。
  最低限、内容を説明できて、内容について議論できること。

かなり初歩的なことで拍子抜けかもしれないが、続く章で更に話を深めていく。
ただ、図書館本に著者のすすめるマーカー引きは出来ないし、まして付箋も貼れない。
(後で剥がすから付箋ならいいやと思ってる人、それダメですからね。本が傷みます!)
私の場合は大量にある「しおり」を挟んでいる。それぞれに工夫の欲しいところ。
そして、アウトプットに関してはこちらにブクログというものがありますし(^^♪

更に、自分にとって少し難しいくらいの本に挑戦すると、学びが最大化するという。
「たくさん読む」のではなく「どの本を読むのか」にフォーカスすると一冊一冊真剣に読み、「ホームラン本」に出会う確率も飛躍的に上がる。
選書が重要になるが、ここで登場するのが「守破離読書術」。
「守」「破」「離」のどのステージに自分がいるかを把握し、それに見合った本を読むこと。何故かほとんどの人はいきなり「離」の本を買いたがるそうで。
後半は電子書籍をお薦めし、その後著者の「ホームラン本」を31冊紹介している。

「楽しむ読書でなければ自己成長は得られない」という箇所もちゃんとある。
どうか安心してお読みくださいませ。
とりたてて悩みはないが読んでも忘れないようにしたいという方にも、お勧め。
私としては「本を読む本」でじっくり暖機。「読書はパワー」でローに入れ、セコンドで「図書館に訊け」「本の歴史図鑑」サードで「図書館巡礼」トップで小飼弾さんの本と「読んでいない本について堂々と」語りたい。フルスロットルで斎藤美奈子さんかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本にまつわる本
感想投稿日 : 2020年5月29日
読了日 : 2020年5月29日
本棚登録日 : 2020年5月29日

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コメント 16件

夜型さんのコメント
2020/11/15

七福本と、本にまつわる本からの10冊をセレクトしてくださってましたが、このレビューにもセレクションがありましたね。
ううむ、愛書家のための本は味わい深いですよね。トレンディではないから流通量からもう希少のテーマなのですが。

nejidonさんのコメント
2020/11/15

夜型さん、ありがとうございます♪
読み返してみて気が付きました。
7冊とか10冊とか区切られると競り合う本が出てくるので、それがいつも難しいですね。
レビューを見ながら、またまた考えています。
確かに希少のテーマなんでしょうね。
絶版になる前にせめて記録しておきたい気持ちが強いです。

夜型さんのコメント
2020/11/15

では、整理しておきますね。↓
「愛書家のための本」
本を読む本
読んでいない本について堂々と語る方法
読書はパワー
図書館巡礼
書物のある風景
世界の美しい本
おとぎ話の古書案内
本の歴史図鑑
読書の歴史
本の歴史

以下もぜひ!↓
本棚の歴史
読書礼讃
読書の文化史
もうすぐ絶滅するという紙の書物について

nejidonさんのコメント
2020/11/15

わわわ!夜型さん、ありがとうございます!
い、いつの間にこんなに・・
「未来をつくる図書館」にリストをいただいたのが昨年の11月30日。
もう一年も経つんですね。何だか感慨深いです。
牛歩の歩みでも何とかなるものなんですね・(笑)
末尾に載せられた4冊も、記録しておきますね!

夜型さんのコメント
2020/11/15

もう一年なんですね。
ぽつぽつと足跡が残されていって、レビューの更新が日々の楽しみです。
本とそのレビューという、大きな話題のフックが出来たので、思い返しては、nejidonさんのコメント欄にお邪魔しています。

あと、こちらはきっとお気に召すと思います。↓

松陰の本棚: 幕末志士たちの読書ネットワーク (歴史文化ライブラリー)吉川弘文館

nejidonさんのコメント
2020/11/15

夜型さん。
漫然とレビューを挙げていた頃は、誰かに読まれるということさえさほど意識していませんでした。
良書を選び読んでは載せる。読む人の顔こそ見えませんが、こうしてコメントをいただくことが存外の喜びです。
ああ、確かに読んで下さる方がいる。そう思うと本当に嬉しいものです。
ブクログで、こんなにお話できるとも思いませんでしたし。
おお、松陰の本棚ですね!!「吉川弘文館」と聞くだけでワクワクします!(^^)!
これは読んでみたいです。ありがとうございます!

夜型さんのコメント
2020/11/15

いろんな来客が来るようになりましたね。
セロ弾きのゴーシュみたいです。

レビュー読ませてくださいね。

nejidonさんのコメント
2020/11/15

夜型さん、そのたとえは面白いですね(*'▽')
ゴーシュのお話は光村の小6の国語の教材です。
中1になるとオツベルと象なんですが、こちらは微妙だと思いません?
賢治の作品ならもっと他にあるのに、と言いつつ思いつきません。

話がそれましたが、いつでもお越しくださいませ。大歓迎いたします♡

夜型さんのコメント
2020/11/17

オツベルと象は思い入れ深いですよ。
いまなら象の気持ちがわかる気がします。
ああして搾取する側がいることをはやくから知ることは大事だと思います。
蜘蛛の糸にしろ、物語が心のなかでフックとなってあとあとで生きてくるんです。
ああ、このお話の筋はこういう意味だったんだ、とじぶんなりに世界を読み解くための媒介になっていたのです。

それはそうと、nejidonさんは本にまつわる本のレビューにたびたび引用されていますね。
マイ引用句辞典を作ってみてはいかがでしょうか。
試みに、本にまつわる本から、nejidonさんの心に響いたことばを教えて下さいますか。

nejidonさんのコメント
2020/11/17

夜型さん。
説明不足を補いますね。
あの作品に対する中学生たちの反応があまりに幼いのです。
オツベルが可哀そうとか、象じゃなくて馬か牛にすればいいとか。
主題にたどり着いてくれる子はクラスにひとり程度。これが実情です。
それでも「ひとりでもいればマシ」と他の方から言われてしまったりという状態です。
そうですねぇ、年月を経てあとあと生きてくると良いですよね。
心の片隅において、宿題のように折々に思い出してくれることを祈ります。

引用が多いですか?ふふ、あまり意識していませんでした。
引用句辞典が出来るほど数があるのでしょうか(*'▽')
心に響いた言葉を、ちょっと思い返してみますね。これまた山のようにありそう。

夜型さんのコメント
2020/11/17

なるほど!合点です!

たのしみにしてますね。

こちら、本日の「本にまつわる本」です。↓
https://www.ehonnavi.net/ehon/37215/%E3%81%BC%E3%81%8F%E3%81%AE%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3/

nejidonさんのコメント
2020/11/17

夜型さん。
読み手が幼いからといって、幼さに甘んじるわけにはいかないのが辛いところですね。
やはり教育という目標がありますから。
まぁこの言葉にアレルギーを起こす人が多そうですが・(笑)
今よりも少し高いところを目指す。少し難しい本に挑戦してみる。時間をかけて理解する。よく考える習慣を身に着ける。
いくつになっても大切なことです。

おお、「ブックウーマン」ですね!
登録さえしていませんでした。良いお話ですよね。
また読み返してみます。
でも本日はカーネギーの本です。自己啓発じゃない方です(^^♪
ではでは後ほど。

nejidonさんのコメント
2020/11/17

夜型さん。
引用は少ない方が良いのかしらね。
最初の一行だけ浮かべば、あとは流れでだだだっと一気に記入してしまいます。
翌日脱字と誤変換の確認、文章の重複した部分を削って終わり。
ただもう、少しでも皆さんに「読んでもらいたい」と言う気持ちだけで載せてますから、文章として良いのかどうかは、自分では全くと言って良いほど分かりません。
他のひとのは分かるんですけどね。
Dainさんとか読書猿さんとか、痺れるほど上手いです。
でも同じ山を目指すのはとても無理です。
うーん、考慮中。でも今更変えられない。。((+_+))

夜型さんのコメント
2020/11/18

落語の件についてですが、いろいろと思索を巡らせました。
ちょっときいていただけますか。

僕が書いたものおよび落語心中に対するYouTuber氏の評価については、いくらか問題があると見ています。

ひとつは、彼はただの評論家に過ぎないこと。評論家は何者にもなれなかったものが成り下がる商売と美輪明宏さんは切り捨てていました。

2つ目は、彼の中で優劣があると言っていましたが、僕は上下ではなく、役割が違うという視点が必要かと思案しました。
八雲が劇中で言っていたように、落語は先細りが激しいです。現実を見ても然り。娯楽で溢れかえっているから客足は遠のいてますし、徒弟制度故に継ぎ手がいなければ滅びます。
昨今のお笑いについて桂歌丸さんが生前、苦言を呈しながらも噺家の仕事のあり方について考えていたように、落語心中のような作品は落語を広める役割を担っていたのでは、と思いました。
これについて付け加えると、哲学界隈でも、僕からすれば雑魚研究者の本がよく売れていて人気があります。しかし、ある方が指摘していたように、メディアに出てばかりのその研究者も役割が違うだけと考えたら許せなくもなさそうと思いました。
YouTuber氏の周囲の本読みは、そのドゥルーズ研究者の本を読んでいましたし、かれは勧められていました。
その研究者の本をよしとするなら「役割が違う」という論理に彼は反論できなくなります。

そして、ルーツと系譜という仕組みは、たしかに伝統を守る側面はありますが、セクショナリズム化・権威主義化しやすく危険性をはらみます。YouTuber氏は、落語家でもないのに、落語家の意見を借りてきて立派に語っていましたが、これを権威主義というフレームワークで武装していたと見做すことも可能と思います。
旧態依然とした堅物は、時代に置いてけぼりを喰らいます。
youtuber氏よりも上手のひとが、「声優色は強かったがよく落語していたと思う」といった評価をしていたので、堅苦しい権威主義的な考え方はいけないと思いました。
僕があまり落語に対して深く理解していないだけかもしれませんけれども。

いかがでしょうか。

nejidonさんのコメント
2020/11/19

夜型さん。
昨夜はガクッと谷底に落ちるように寝入ってしまいました。
「役割が違う」という見方は的を射た表現ですね。
聞き手としてはかなり慣れているのですが、落語会のことまではよく知りません知る手だてもありません。
という前置きをしたうえで。

メディアに頻繁に顔を出す○○大教授とかいう肩書の人びとを、ある種の疑惑を抱いて眺めています。
お金に魂を売ったと見るか、それとも内部の激烈なヒエラルキーを勝ち抜いたと見るか。
あるいは全く別のルートから来たのか。
どれほどのオファーが来ても決して出演しないという意図を貫く人びともいるということを念頭に入れておいた方が良いかなと思うわけです。
そうはいっても、「Daigoさん信者です」と述べているブク友さんもいらしたりして複雑な思いになります。
身近なひとの発言だったら別の考え方もあるよと言ったかもしれません。
さすがに顔も見えない人には言いにくいし、言えるはずもないです。
では個人の力で深い心理学にたどり着くかと言うともっとハードルが高い。
「役割が違う」という言葉を、こんな時に思い出します
彼の中に、自分の求めるものがあったということなのでしょう。
何よりヒエラルキーの外に存在することが出来たということにもなります。
youtuber氏もその圏内にいるってことでしょうか。

評論家という職業が激増した時期があって、美輪さんはそれに反論したのでしょうね。
言ったもの勝ちの感があり、単なるマニアだったり売名行為だったりします。
もしyoutuber氏がそうであるなら(疑惑が濃いですが)信頼も何もありません。
虎の威を借る狐になります。彼の虎とは、空虚そのものですよね。
落語界もヒエラルキーの真っただ中を生き続けているのかもしれません。
先細りするところは、似た部分がありそうですよね。

夜型さんのコメント
2020/11/22

nejidonさん、
先日、くだんの文学youtuber氏の生配信を視聴しました。
それで、彼のスタイルが問題含みであることはより明確化しましたが、問題は思いの外、根深そうなものでした。
配信のテーマは、”youtuberとしても活躍中の人気お笑い芸人の中田敦彦さんが作った文学作品を解説した動画の内容がひどい”、”作品への向き合い方、批評のあり方を検討したい”、”みんなとブレインストーミングがしたい”……というものでした。
要するに、中田さんが原作を読まずしてまんが版を読んで内容を解説するやり方が気に食わないというものでした。
文学ユーチューバー氏の主張は「俺の作品への向き合い方が正しいんだ!」というもので、同時に「やつのやり方のほうは間違っているんだ!」という感情論で終始しており、彼は憤りを隠せずにいました。
彼の生配信のコメント欄でコメントをしていた参加者も、「中田さんの解説はわかりやすいし面白いと思うけれど作品を読んでないのはいただけないし彼の視聴者の作品に対する思いも軽薄だ。俺達はきちんと読書して作品と向き合っているんだぞ!」と右へ倣えでした。
つまり、中田さんに対しては、きちんと鑑賞している俺たちVS読んでない中田 という対立で攻撃し、中田さんの視聴者に対しては、正しい鑑賞VS知識の摂取 という二軸で攻撃していました。
しかし、僕にはどちらにも首肯できませんでした。
というのは、どっちも僕が幼少期からよしとしてきた読書の仕方とは言えないし、拮抗していたそれぞれの立場は、志向とか気概とかステージとか、それを表す言葉は何でもよいのですが、低いところにあるからです。
なぜなら、生活をまず第一に据えて、人生や生活の糧や助けや支えとなる読書の仕方が、僕の大事にするものだったからです。

僕が尊敬する方と話していましたが、文学youtuber氏も含めて、読書垢と呼ばれる人たちは、読書を気晴らしや娯楽や現実から離れるための逃避行動や味わい酔いしれるための鑑賞や…彼らの行動を表現するものは何でもよくて、それらに該当する程度ものでしかなかったのです。あるいは程度の低いものだと、自分を演出するための舞台装置、すなわちファッションでしかなかったのです。オタク的というか俗物的というか、僕は気にくわないやり方でした。
したがって、読書の仕方だったらいくらでも提起できる問題点があるというのに、youtuber氏と生配信の参加者らがどんなに言葉を尽くしてもそもそもの彼らのステージが低いですし、問題意識も主観の中にとどまっているから堂々巡りですし、喋っていることの中身がチープで陳腐に感じられたのであきれて僕は生配信の場から離席しました。

美輪明宏さんはお芝居も読書も何もかもすべてお仕事につながっているの、というふうに言っていました。水木しげるも「絵は毎日描けばうまくなるよ。でも、おもしろい話を描こうとしたらかんたんにはいかない」「漫画が単に好きで読んでるだけじゃ漫画のプロの世界では食っていけないよ」というふうに言っていました。水木しげるは実際、収入の殆どを戦艦のプラモデルなど多くのものに投じましたが、それはもちろん彼が戦艦が好きなだけじゃなくて、よいまんがを描くには欠かせないと確信していたからだったそうです。
すなわち、彼らはエコシステムように見立てて、彼らにとっては仕事が生活に直結していますから仕事に組み入れて糧に変えていたわけですよね。
手塚治虫も富野由悠季も、「まんがやアニメだけから学んじゃだめだよ」と口を揃えて言っていました。
宮崎駿は若い頃から富野由悠季が舌を巻くほどの勉強家だったそうですし、高畑勲は趣味が勉強でした。
しかし、彼らの作品を見て育った世代、20〜40代くらいでしょうか、受け手も作り手もオタク的な受容をしてる人ばかりで、彼らが摂取していた一流のものから学び取ることはなく絞りカスしか受け取れず、信念や切実さがなかったために、よい作品が減る要因になったとも思いました。

落語に関して、文学youtuber氏の主義をその配信で再確認して、僕は彼が硬直的な主観にとどまる評論家であるという見方を強めました。
彼が理想とするのは立川談志師匠で、談志師匠以外の存在も落語も基本的には一切認めず、僕が枝雀さんの落語が良いと述べたら彼ははっきりと枝雀はきらいだと述べて(誰かが好きなものを嫌いだというのは一般的に人から嫌われる行為ですよね)、くどくどとソムリエのように良し悪しを語っていました。
僕が問題だと思うのは、談志師匠はとうに故人であり、談志師匠の落語ができるのは本人だけであり、談志師匠の落語を知っているのは当時の落語を見た人、あるいは談志師匠をあとから知った稀有なファンだけでしかなくて、youtuber氏の言葉にはいつまでも過去の栄光にすがりつく俗物の姿によく似たものを見ました(文学youtuber氏は落語家ではないのに…)。

読書猿さんは、以下のような記事を書いていました。
問い:何故学ぶのか? → 答え:自由になるため
https://readingmonkey.blog.fc2.com/blog-entry-377.html

ミショーの信念は、記事内に出てくるベイリーとおそらく同じでした。
読書猿さんも、必要に迫られて、困り事があって、下手くそながらも血のにじむような勉学をしてきました。彼が書く記事にはその切実さの痕跡が見えるような気がしてなりません。
が、こうした純粋で実直な志向性は、今ではどうやらあまり流行らないようなのですね。
しかして流通と受容、受け手と作り手のメンタリティ……厄介な問題が浮き彫りとなりました。

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