精神科医の樺沢紫苑さんの語る読書術の本。
本書を読むまで知らなかったのだが、SNSでかなり有名な方らしい。
その職業柄か、大変読みやすく分かり易い。
「読んでも忘れてしまう読書は何の役にもたっていないのだから、やめなさい」とスタートから手厳しい。「記憶に残る読書術」が「自己成長に繋がる読書術」であり、それが「人生を変える読書術」であると。
何故この出だしかというのは、読みながら明らかになる。
精神科医として課しているミッションは「日本人の自殺・うつ病を減らすこと」。
精神疾患に限らず、病気で苦しむひとを一人でも減らしたいと言われる。
それには、病気についての知識を広げ、病気になる前に予防すること。
予防についての本は書店に行けばたくさんあるが、残念ながら一番読んで欲しいひとには読まれない。患者さんに小冊子を渡してもなかなか読まれないそうだ。
そこで、この本を出すことにより読書を習慣にする人を増やすことから始めようと。
「本に書かれている通りの方法を忠実に実践すれば、ほとんどの場合、悩みは解決するか、少なくとも軽減するはずです」(第一章 読書によって得られること4)
誤解されがちだが、本を読んだからと言って悩みが解決するわけではない。
本に書いてあることを、忠実に実践することで解決していくのだ。
だから、読んだことをそうそう簡単に忘れられては意味がない。
読んでも忘れないような読書には、どのようなコツがあるのか。以下、箇条書きで。
1.一週間に三回アウトプットすると記憶に残る。
4つのアウトプットで記憶に残す方法が紹介されている。
メモに取ったり人に話したりお勧めしたり、Facebook やTwitterに載せたり。
2.効果的に読書をする(スキマ時間読書術)
今日一日でこの本を読むと目標設定をして、制限時間を決めること。
3.「速読」より「深読」を意識する。
最低限、内容を説明できて、内容について議論できること。
かなり初歩的なことで拍子抜けかもしれないが、続く章で更に話を深めていく。
ただ、図書館本に著者のすすめるマーカー引きは出来ないし、まして付箋も貼れない。
(後で剥がすから付箋ならいいやと思ってる人、それダメですからね。本が傷みます!)
私の場合は大量にある「しおり」を挟んでいる。それぞれに工夫の欲しいところ。
そして、アウトプットに関してはこちらにブクログというものがありますし(^^♪
更に、自分にとって少し難しいくらいの本に挑戦すると、学びが最大化するという。
「たくさん読む」のではなく「どの本を読むのか」にフォーカスすると一冊一冊真剣に読み、「ホームラン本」に出会う確率も飛躍的に上がる。
選書が重要になるが、ここで登場するのが「守破離読書術」。
「守」「破」「離」のどのステージに自分がいるかを把握し、それに見合った本を読むこと。何故かほとんどの人はいきなり「離」の本を買いたがるそうで。
後半は電子書籍をお薦めし、その後著者の「ホームラン本」を31冊紹介している。
「楽しむ読書でなければ自己成長は得られない」という箇所もちゃんとある。
どうか安心してお読みくださいませ。
とりたてて悩みはないが読んでも忘れないようにしたいという方にも、お勧め。
私としては「本を読む本」でじっくり暖機。「読書はパワー」でローに入れ、セコンドで「図書館に訊け」「本の歴史図鑑」サードで「図書館巡礼」トップで小飼弾さんの本と「読んでいない本について堂々と」語りたい。フルスロットルで斎藤美奈子さんかな。
- 感想投稿日 : 2020年5月29日
- 読了日 : 2020年5月29日
- 本棚登録日 : 2020年5月29日
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