ふしぎなナイフ

  • 福音館書店 (1997年2月5日発売)
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本棚登録 : 1623
感想 : 181
5

季節・年齢を問わず、いつでも使える優秀なお助け本。
メインの本の前の助走に、あるいはメインを読んだ後の残った時間の有効活用に。
そりゃもう、こちらがメインかと思うほど子どもたちが喜んでくれる。約5分。

写真と見まごうほどのリアルな表紙絵だが、登場するのはこのナイフだけ。
そしてテキストは、どのページにも一行ずつ。
まがる、ねじれる、おれる、われる、とける、きれる(ナイフそのものが切れてしまう・笑)ほどける、ちぎれる・・・
様々な動詞とその描画が斬新で楽しく、目が離せない。
「知ってる!」「読んだことある!」と言う子は、ぐんぐん身を乗り出して、次に登場する動詞を当てて面白がる。
しかも、それぞれお気に入りの動詞があるらしく、「ほどける」で声をあげて笑ったり、「ちぎれる」では残念そうな声をあげたり。

大人はとかくビジュアルの方に眼を奪われるけど、実は参加型の絵本なのかも。
日ごろはあまり使用しない動詞が、綺麗な絵を通して学べる本でもある。
こういった本を読むたびにいつも思うのは、大人の好みで選書してはいけないなということ。
子どもというものをちゃんと知らないと、お話会もただの押しつけになってしまうものね。気をつけなくちゃ。
最後の場面で、「これ、どんな音がしたんだろうね?」と言うと、ぴっきゃーん!!と言った子がいた。新しいわ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本・通年
感想投稿日 : 2017年11月18日
読了日 : 2017年11月13日
本棚登録日 : 2017年11月18日

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