いつも面白い作品を見せてくれる「きむらゆういちさん」の作品です。
極端と言えるほどの縦長なので、読み聞かせるときは難しいです。
本を持っている手に、上のページが折れて覆い被さります。
そして、めくる手は、下からなのです。
内容とともに、造りもスリリングです。
山猫夫婦が追いかける野ねずみたち。その先に穴があるとも知らずに。
全員が落ちてしまい、さて、どうやって這い上がろうかとみんなで相談。
そして、どうやっても上手い方法は見つかりません。
「みんなで相談」というのがそもそも可笑しいでしょう?
しかも『そんなやり方だったら、ぼくらが食べられちゃうからダメ』と反対意見もちゃんと言えるのです。これは可笑しい。
最後は思わぬ天災でみんなが穴の外に出られるのですが、出られたことにも気がつかずにまだ相談しているという、終わり方。
まさか!まさか!で進んでいく、面白さがあります。
小さな子供には、どこかはじけたお話を選びたいもの。
季節感も大切ですが、こういうのが案外喜ばれるのでしょうね。
一冊目はこの本を選び、二冊目でしみじみとした他の作品を読み聞かせるというのがどうでしょう?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
絵本・通年
- 感想投稿日 : 2010年5月20日
- 読了日 : 2010年5月3日
- 本棚登録日 : 2010年5月3日
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