2016/09/07-2016/09/10
星4.5
「グレッグ・イーガンのSFがおもしろい」というのを風の噂で聞いたので読んだ。ハヤカワ文庫SFの中ではこれが最初の単行本だが、日本語訳されているイーガンの長編の中では2番目らしい。創元SF文庫から出ている『宇宙消失』が最初。Wikipediaによると更にそれより前に "An Unusual Angle" というのがあるらしい。
物語の背景として主軸にあるのは、物理・情報科学・生物の知識。物理に偏ることも情報科学に偏ることもなく、基礎原理から生物的性質まで幅広く設定され考察されているのには、想像力の広さを感じた。
今まで僕はいわゆる「強いAI」の世界観に違和感を覚えていたのだが、そんな僕にでも「強いAI」が存在する世界をリアリスティックに感じられるくらいの構成だった。
また、科学を志すものとして、「オッカムの剃刀」についてちょっとした考え違いをしていたことに気づけたのも大きかった。SFを読むと自分の視野の狭さに気づけるので面白い。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF
- 感想投稿日 : 2016年9月11日
- 読了日 : 2016年9月10日
- 本棚登録日 : 2016年9月11日
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