浅草寺境内を訪れた佐藤老人との遣り取りから伝わる「行方不明者相談所」の雰囲気。
冒頭にあるその描写に惹かれて一気に読み進めたのだが、重みに欠けた内容から響くものは少なくて今一つ。おかげで終章にある棚田の折角の情景もまるで取って付けたかの様。多くの視点による物語の進行が本書においては踏み込みの浅さを招く要因となっているのではないだろうか。どれか一つに絞られていたのなら面白味は断然増したのではないかと残念である。
また可菜子が殺される必然性について疑問が残りミステリーとしてもしっくり来なかった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2013年4月26日
- 読了日 : 2013年4月20日
- 本棚登録日 : 2013年4月26日
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