流跡

著者 :
  • 新潮社 (2010年10月1日発売)
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本棚登録 : 523
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本日読了。

文字がほどけ、
糸水となり流れ出す、
感情だとか情景だとか欲望だとか観念だとか気候だとか音だとか、
言葉に表すことのできるあらゆるものたちの文字が。

誰でもない、
男ですら、
女ですら、
私ですらない透明な者が、
その流れに身をゆだね、
上から下に、
下から上に、
ただただ、
たゆたう。

その「流跡」をなぞり、
浮かび上がった(もしくは沈み込んだ)ものたちを、
再び言葉に戻し、
編み上げた物語。

それは、
紙片とインクでできた奥付のある本で始まり、
パソコンのモニター上で終わる(実際には終わらないが)。

文学の衰退、
ましてや死が、
ただの幻でしかないことを、
静静と謳う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年2月23日
読了日 : 2014年2月23日
本棚登録日 : 2014年2月23日

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