西田幾多郎という人物の生涯を追っていくなかで、著者は「人間として生きる」こととは何なのかを考える。
著者によれば、人間は一つの生で三つの事態を生きる。それは「人生」ということ、「歴史的社会的生」ということ、そして「境涯」ということである。著者のが「境涯」というものを提出しているところにオリジナリテがあると思う。それは西田の言葉で言う「絶対の無」。そこ「から」吹く風である。すなわち内的な「人格」や経験的な「人柄」、法的な「人権」とは違う、その人個人の「風格」である。
こういった、定義不可能な言葉に向かう態度。また、同一律ではなく矛盾的自己同一という視野は、世界を豊かにするものだと感じた。
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- 感想投稿日 : 2021年12月7日
- 読了日 : 2021年12月7日
- 本棚登録日 : 2021年12月7日
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