被差別部落の青春

著者 :
  • 講談社 (1999年10月1日発売)
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感想 : 7
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インタビュー系はとても面白く興味が持てた。部落民の生活環境を示す貴重な資料のように思う。奈良横井の改善地区は元々知ってたけど、あんな綺麗なところがなんでそんなに有名なんだと思ってたら相当に陰惨な環境だったことを知った。

明るい(暗い?)兆しだなぁと思うのは
・明確に差別された時代とは異なり、差別経験の程度も頻度も薄くなっていること
・被差別「組織」としての立場ではなく「個人」として差別を捉える世代が生まれていること
の2つかな。

そもそも運動ってのがバカらしいんだよな。誰かや何かを動かそうと意欲を持って行動に移すことは大切ではなく、そんなことよりも捉え方を変えて誰かや何かに自分を馴染ませていくってことを大切に考える世代だもの。そりゃ嵌らないでしょ。部落によって様相が違うのも当然だし、解放運動がもてはやされ意味を持っていた時代はとっくに終わっているように思う。

在日のように「ナショナリズムに誇りを持って生きる自分たちのことをわかって欲しい」と要求するでもなく、どちらかと言うと部落民であることを隠して生きたいって言ってるんだし、そっとしといてあげなよ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年5月30日
読了日 : 2021年5月30日
本棚登録日 : 2021年5月30日

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