この筆者のサイエンス・エッセーは好きだったので、この本を本屋で見かけたときちょっと興味をそそられたのですが、買うまではないかなと思って結局図書館で借りて読みました。
筆者と経済学の学者との対話によって、新聞によく出てくる様々なテーマが歯切れ良くわかりやすく説明されていて、とても読みやすい本でした。が、歯切れ良すぎてかなり首をかしげる説明のところもいろいろ。「ガイダンス」と「一時限目 ゼロから学ぶ経済の基礎」の経済学関係の説明のところまでは、たとえをうまく使って結構うまく説明しているなと感心したのですが、総理大臣や日銀総裁、政府各省庁を始め、様々な政策立案者を次々とこきおろしていく舌鋒は、現実の政治や行政のことを全く知らない読者が読めばおもしろいのかもしれませんが、批判の根拠があいまいかつ不正確で、読んでいて相当品が悪いなと思いました。
Webで検索してみると、この「先生」は、東大理学部・経済学部出身の元財務官僚の経済学者で竹中平蔵のブレーンだった人だそうですが、歯切れは良くても非常に独善的な語り口にはそれで納得できました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
政治・行政
- 感想投稿日 : 2012年1月20日
- 読了日 : 2012年1月19日
- 本棚登録日 : 2012年1月19日
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