青春デンデケデケデケ

著者 :
  • 河出書房新社 (1991年1月1日発売)
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本棚登録 : 79
感想 : 13
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「階段途中のビッグノイズ」を読んでいて、軽音楽部バンド小説といえば、アレがあったよなあと思いだしたのがこれ、「青春デンデケデケデケ」。本棚から探し出して奥付を見たら、1991年刊行となっている。なんとまあ、もう20年以上たつのか。

やっぱり面白い。明るく痛快で、笑えて、ちょっとしんみりして、陽性の青春小説としては完璧じゃないかとまで思う。以前読んだとき、てっきり作者自身の経験をストレートに書いてるんだと思ったら、モデルはあるが自分ではないと作者が語っているのを目にして、意外な気がした。実に等身大の感じがある。私より少し上の団塊の世代で、地方出身の方は特に、かつての高校生の姿がまざまざとよみがえる思いがするのではないだろうか。

実は作者は「こういう学校生活が送れたら良かったなあ」と思ってこれを書いたそうだ。なるほどなあ、そう思って読むとなおさら、田舎の高校生たちの姿が生き生きと胸に迫ってくるようだ。讃岐弁がキュート。特に女の子の言葉遣いや行動に、ああ、以前の高校生ってこうだったなあと思って、懐かしかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説
感想投稿日 : 2014年9月18日
読了日 : 2014年9月18日
本棚登録日 : 2014年9月18日

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