頑張れば成功する。
安丸良夫さんの提唱する明治期の通俗道徳に囚われているのが明治期の生きづらさと説かれている。
貧民窟、売春のような環境、貧民に対する視線の冷たさ、立身出世による頑張れば報われるという考え。
一見、努力=貧困からの脱出のように思われるが、努力した結果、環境からの脱出が出来なかった場合どうなのかという点が問われている。
明治期の生きづらさと現代の生きづらさは共通はする事があるのではというのが要旨。
共通化しているようで、一概にそうとも言えないというのが自分の意見。
明治期と現代の間を省略して論じるのは無理がある。
それぞれの時代に課題があり、環境も違う。
通俗道徳の概念に違いもあり国民の役割も違うものを同列に扱うのは違うはずだ。
貧困対策に予算が回されなかった社会背景も論じないと一方的に明治は生きづらい社会と断定してしまうきらいがある。
一側面ではあるが為政者の思想も併せて理解しないと結論に厚みが出ないと思われる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
図書館
- 感想投稿日 : 2022年8月28日
- 読了日 : 2022年8月28日
- 本棚登録日 : 2022年6月19日
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