希望が死んだ夜に (文春文庫 あ 78-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2019年10月9日発売)
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本棚登録 : 3340
感想 : 224
5

久しぶりにとても面白い本だった。(面白いという表現が適切かは分からないが)

貧困、子供の貧困がテーマになっているこの作品。
周りから見れば貧乏で暗く友達もいない努力もしてないネガと美人で明るく友達も多いのぞみ。
明暗のように対極にいるようで実は中学生で働かなければいけないほど貧乏。

ネガ目線と色んな人に聞き込みをしていく上で明らかになる刑事目線。
両方の目線から書かれているからこそ深く考えさせられた。

貧困の人と同じ経験をしない限り気持ちや苦労を理解する事は出来ないし、響かないと思った。

「別世界の正しさは苦痛でしかない」
世間一般の正しいことがその人にとって正義であるわけではないし、苦しさや悲しさは他人と比較できるものではないと考えさせられた。

どんどん明らかになる事実。最後には予想できない結末で胸が締め付けられた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 心動かされた本
感想投稿日 : 2021年9月13日
読了日 : 2021年9月13日
本棚登録日 : 2021年9月13日

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