だいぶ前の新聞広告に『大好評8万部突破!』なんて書いてあったので「読みたい」に入れていた。
急逝した姑の遺品整理をすることになった望登子さんのお話。
遺品整理かぁ、こういうの読むと他人事ではないな。
物語の中は1時間半掛かるとは言え同じ都内だけど、うちは新幹線使う距離でそうそう通えないし、自力ではやるのは無理だな。
だけど、業者に頼むとしても見積り取って100万円すると言われたら、ちょっとねぇ…。うちは3人兄弟なので3人で分ければ何とか出来ないことはないか、な?
実家の部屋を思い出してみても、あれはどうしたらいいんだろうという物がたくさん思い浮かぶし、祖父の一銭にもならない畑地を母がまとめて相続しているけど、誰も住んでいない田舎にそういうのを遺されても困るよねぇ。
本の中では業者頼みにしないことが『自分の心の整理のためには必要』みたいに書いてあるけど、目の前に片付けるべきものが山積みになっていたら、そうも言っておられないように思うしなぁ。
さて、お話はと言えば、業者に頼むと高くつくからと自力で遺品整理を始めるものの3Kの部屋にぎっしり詰め込まれた物の多さに立ち竦む望登子さんにやきもき。
近所の人に助けてもらって、隣の人にもいろいろ貰ってもらっても、持ってきてもらったカレーは捨ててしまう姿にあんぐり。
自分の母親のことなのに少しも手伝わず、土産の飾り物が詰まった人形ケースをそのまま家に持ち帰るという夫の馬鹿さ加減にもイライラ。
遺品整理の時に自分の過去や親との関係に向き合うのもいいし、親が生きている間にもしっかり話をしておけという感じで、最後は佳い話風にまとまったけど、『目の前から一気に物がなくなりさえすれば、それでいいというものではない』と言われても、なかなかそうも出来ない中では素直に受け止められない心持ち。
きっと私は、望登子さんにどうなんだろうと言われた『金目の物さえ取り分けておけば、あとは全部要らない』ほうを選ぶと思うぞ。
- 感想投稿日 : 2022年10月10日
- 読了日 : 2022年10月9日
- 本棚登録日 : 2022年10月10日
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