タイトルからするいわゆる自己啓発本とは違いました。
茶道を初めてからずっと続けることになり気持ちの変わりようと、茶道目線でやってみて感じたことを淡々と綴った、いわば著者の日記のようなもの。
その道の専門家目線でなく、庶民的な視線から学んでいったことわかったことや変に思うことなど、共感できることがちりばめられています。
「茶道具というものは、そういうものをありがたがる、訳のわからない渋みを「わび、さび」というのだろうと思っていた。」のだけれど、それを「洒落と頓知にあふれていた」という、著者ならでわの感じ方が面白い。
茶道は季節により茶道具や作法が変わるそうで、そのたびに覚え直しさせられて一苦労し、なにゆえなのか不思議の思えていたのですが、それも季節を巡ると私の中で腑に落ちることになるのでした。
やめたいときもあった。その気持ちをどうしたら良いのか。「その真っ青な空に向かって、深呼吸と一緒に解き放した」そうして、「心の声が聞こえてきた。」そのままでいいことを。肩ひじはって考えていた。自分だけに向いて考えるみる。解き放たれるとはこういうことなのか、感じさせてくれます。
文体はやさしく一気にさいごまで読めました。茶道の本だけどハウツーではないこれは茶道を体験するドラマです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年2月19日
- 読了日 : 2023年2月19日
- 本棚登録日 : 2023年2月19日
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