中学校や高校の図書室に必要な本だと思う。
多くの関係者が他界してしまった今になって声高に主張し始めた、という一点だけをとってみても、南京大虐殺や従軍慰安婦強制連行は動かしがたい事実だ。それはほんの少し考えればわかる。でもそれがまさかここまでおぞましいことだったとは、考えられる限界を超えてた。ことに、積み上げられたのではなく、塔に、山に、ならざるをえなかった人体の状況が。
この本を読んで今、私にできることはなんだろう。
生きていると、かつての自分が知ったら全力で否定するだろうと思うようなことをしてしまうことがある。自分の物差しとは相容れないのに、飲み込んでしまう。煮え湯でも。そして内側がただれる。
自分の物差しが大切だからこそ、他人の物差しも大切にしたい。物差しの目盛りが「正義」だけになってしまうとき、その物差しは、振りかざされ、金属製の凶器になる。正義は振りかざした途端に、ただの傲慢な支配欲に成り下がる。それを覚えておかなくちゃ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2018年10月19日
- 読了日 : 2018年10月19日
- 本棚登録日 : 2018年1月26日
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