デカルトといえば本書。
私は先に『情念論』を読んでしまった。
「我思う故に我あり」
その真理に辿り着く過程はもちろんだが、デカルトのあらゆる学問に対する姿勢について目の当たりにできる。
この序説について、自分が(デカルトが)どのような道を辿ってきたかを示され、一枚の絵に描くように自身の生涯を再現しようとされている。
本書は全六部構成で、第一部は「学問に関する様々な考察」、第二部は「デカルトが探究した方法の主たる規則」、第三部は「二部の方法から引き出した道徳上の規則のいくつか」、第四部は「神の存在と人間の魂の存在を証明する論拠」、第五部は「デカルトが探究した自然学の諸問題の秩序、とくに心臓の運動や医学に属する他のいくつかの難問の解明と、われわれの魂と動物の魂との差異」、第六部は「デカルトが自然の探究においてさらに先に進むために何が必要だと考えるか、またどんな理由でデカルトが本書を執筆するに至ったか」が書かれている。
『情念論』で書かれている“動物精気”についても第五部で触れられている。
ちなみに「我思う故に我あり」は第四部で語られている。
ページ数は少ないが、訳を理解し読み進めていくことにエネルギーを必要とされる。
本書を通して、私もデカルトの言うように“良い精神を持っているだけでは充分ではなく、大切なのはそれをよく用いること”を意識して生きていきたいと思わされた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年9月1日
- 読了日 : 2021年9月1日
- 本棚登録日 : 2021年9月1日
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