NDC294.04 2008年12月13日読了。
タイトルに惹かれて読んでみた。観光コースでない、とはどういうことか?
読者は、タイトルで惹かれるものがある。読んでみると、著者は、アフリカのサハラ以北より西海岸沿いに南下する。途中、モロッコ、モーリタニア、ギニア、と南部に向かっていくが、確かに日本人観光客は、絶対に行かないようないわゆる政情不安な危ない国が多い。なかでも、少年兵らによって手足を切断された人ばかりが残された村など、読んでいて、残虐さに目を剥くのである。とにかく、アフリカという国は豊富な地下資源に先進国の利権がからみ、それと当事国の政治家もからみで、ようするに貧富の差が非常に大きい。しかも軍事独裁色の強い国では、民衆は何も言えない。ほとんど北斗の拳に出てくるような国である。砂漠化が著しく、あと数年で埋まってしまうモーリタニアの辺境の町など…。しかし、地元新聞記者で独り抵抗を続けているジャーナリストなどもいて、そういう知人の助けを借りながらも著者は、次々とピンチを脱して旅を続けている。いろんな国が紹介されているが、あなたは、ギニア湾に浮かぶ島国サントメ・プリンシペという国をご存知だろうか?私は、この本を読むまでそんな国があるなんて知らなかった。この国が意外なことに台湾の絶大な支援を受けているという事実。反対に日本人はすごく嫌われているらしい。著者は到着後、しばらく日本人です、と自己紹介すると誰も振り向かないが、台湾人です、と嘘を言うと途端に大歓迎を至るところで受けたりするのである。と、アフリカは、世界中の国とつながっているわけで、そのあたりも興味深いレポートである。
空港などの賄賂要求も尋常でない。しかも至る所に武装兵。ほとんど戦場である。こうした、内乱の長く続いた国々は疲弊しきっており、我々日本人の目から見ると映画の中の出来事にしか感じられないが、これはまぎれもない現実である。世の中外国旅行が当たり前になったように思われるが、どっこい、まだまだ世界は広いと感じる一冊である。
アフリカに興味がある人は旅行前に絶対に読むべし。
- 感想投稿日 : 2009年1月2日
- 読了日 : 2023年2月24日
- 本棚登録日 : 2009年1月2日
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