鬼の王と契れ (キャラ文庫 た 6-1)

著者 :
  • 徳間書店 (2014年3月27日発売)
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本棚登録 : 153
感想 : 19
3

可愛い執着攻と、臆病バンビ受という印象でした。
鬼を使役するという立場上、受の方が強気ではありますが、
肝心なところではしっかりと攻が受を守るという構図が
バランスよかったと思います。

王道展開なので、設定以外は正直目新しさはありません。
ですが、攻の性格がとても健気で一途で、執着というよりは、
ご主人様に構って欲しくて仕方がない犬という感じです。
若干のおっさんくささと、変態ちっくなストーカーっぷりが
際立ってますが、その辺りはご愛嬌。
逆に受の性格が女々しすぎてイライラしてしまったので、
攻の設定が面白いだけに残念な気がします。
後半、攻の血を取り入れたことにより、少し攻撃的な性格も
垣間見えますが、全体通して弱気、泣き虫、臆病バンビです。
鬼を問答無用で惹きつけるフェロモンがあるそうですが、
人間目線から見るとあまり魅力を感じません。

わかりやすいストーリーなので、ファンタジー設定では
ありますが、非常に読みやすく楽しめました。
欲を言えば、もう少し鬼使いという設定を活かした話が
読めたら良かったなと思います。
一族も沢山登場してますが、上澄みさらっただけの登場
だったので、もっと物語の展開が広がると思ってた分、
肩すかし食らいました。

個人的には退魔師の星合の方が気になったので、こちらで
スピンオフを読んでみたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 高尾理一
感想投稿日 : 2015年1月18日
読了日 : 2015年1月18日
本棚登録日 : 2015年1月18日

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