『上級国民/下級国民』『無理ゲーム社会』の続編。
本書で著者は、リベラル=「自分らしく生きたい」という価値観と定義し、リベラル化が進むことによって「格差が拡大し、社会が複雑化して生きづらくなってい」く、ポピュリズム(「反知性主義」「排外主義」「右傾化」)の隆盛を招いく、と言う。
キーワードは "キャンセルカルチャー"(「公職など社会的に重要な役職に就く者に対して、その言動が倫理・道徳に反しているという理由で辞職(キャンセル)を求める運動」)、"ステイタスゲーム"(「ステイタスの高い者に憧れながら、ステイタスの高い者を引きずり下ろそうとし、他者からの批判を過剰に気にして身を守りながら、ライバルの足を引っ張って自分のステイタスをすこしでも高めようと」する生き残りゲーム)。
「上方比較を損失、下方比較を報酬とする脳は、ステイタスの高い者を「正義」の名の下に引きずり下ろすときに、きわめて大きな快感を得る」。人間の本能というか性(サガ)がむき出しになる、なんとも生きづらい世の中になってしまったものだ。こうした「この世界の仕組みを正しく理解し、うまく適応する」しかないとはなあ…。
読書状況:読み終わった
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教養
- 感想投稿日 : 2024年3月28日
- 読了日 : 2024年3月27日
- 本棚登録日 : 2024年3月21日
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