一流の記憶法: あなたの頭が劇的に良くなり「天才への扉」がひらく

著者 :
  • 知之鳥出版 (2017年1月13日発売)
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感想 : 65
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著者の語る記憶法・記憶術はいたってシンプル。「記憶したい情報に出会ったら、注意を向ける。想起練習をする。手がかりと結びつける。それも、一つではなく複数の手がかりと結び付ける。覚えにくい情報や複数の情報を覚える必要があれば記憶術を用いる。」とこれだけ。

想起練習は、1回目は数秒から30秒程度以内、2回目は数分以内、3回目は1時間から1日以内、4回目は1日後、5回目は1ヶ月後といった形で、徐々に間隔を空けながら行うのがよく(間隔伸長法)、逆に間隔を空けずに繰り返しても効果は薄い(長期記憶を定着させる訓練にならない)。なお、手続き記憶(繰り返し書く、話す等の反復練習で身につく無意識的な記憶)を併せて活用するのはありだが、想起練習を行った上で、あくまで補助的手段として活用すべき、とのこと。

また、記憶術は覚える情報の数によって使い分けるべきであり、5つ程度までの情報であれば「頭文字法」を、20個程度までの情報なら「物語法」を、それ以上の場合は「場所法」を用いるのが良いとのこと。他にも、「語呂合わせ法」、「一連法」、「音楽活用法」、「連想連結法」、「変換記憶術」(「数字形システム」、「数韻システム」、期待したりしています「数字イメージ変換システム」)、「身体部位法」、「イメージ式ペグ法」なども紹介されている。

確かに本書、シンプルだが試験勉強等で使えるテクニック満載だ。ただ、インターネットで検索すれば有り余る情報が瞬時に得られるようなった現在、実生活で大量の情報を記憶しておくことが必要な場面はどんどん減ってきているんだが…。

本書、日常的に記憶が苦手で、ど忘れすることも多く、何か記憶力アップに繋がるヒントでもあればと思って手に取ったが、予想に反して、テクニックを駆使すれば驚くほど多くの情報を覚えられて試験対策はバッチリ、という本だった。ただ、著者は、記憶術を駆使していれば脳が記憶上手になっていき、結果的に脳の構造・機能が改善される、とも書いているので、遊び半分で記憶術を実践してみる価値はあるかもしれない。

本書に例として紹介されてた、"もしもしかめよ" のメロディーに乗せて唱える「殷、周、秦、漢、三国、晋、南北朝、隋、唐、五大」、覚えたかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2021年2月28日
読了日 : 2021年2月28日
本棚登録日 : 2021年2月28日

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