一人の女性の死から始まる本書は、端的に言えば、ある家族の再生の物語です。
話の視点は主に二人。
亡くなった女性の旦那からと、継子である、一人娘から。
さらに、その娘は旦那に浮気され、浮気相手に子どもができ、実家に帰ってきている。
そんな、このままでは遠からず崩壊する家に訪れた、ちょっとした台風のような家政婦が起こして行く騒動と奇跡のような物語です。
読みながらずっと感じていたのは、優しい作者の視点。
柔らかい言葉と、日常の風景描写は、決して真新しいものでもないのに、文書の印象が、優しい。
いずれ、自分にも訪れる、親がいなくなる日(私が先かもしれないが)を想像しながら読んでいました。
最後の終わり方は少し都合よすぎな気もするけど、「よかったね」と思える終わり方でした。
映画にもなったようですが、岩井俊二監督の、「ラブレター」のような、柔らかい映像なら合いそうだなあ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF・ファンタジー
- 感想投稿日 : 2014年3月3日
- 読了日 : 2014年3月3日
- 本棚登録日 : 2014年3月3日
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