火山噴火: 予知と減災を考える (岩波新書 新赤版 1094)

著者 :
  • 岩波書店 (2007年9月20日発売)
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感想 : 12
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火山噴火について、きちんと説明してくれる本を探していたところ、情熱大陸にも出演された火山学者鎌田氏の2007年の著作が再販されていたので読んでみました。
アウトリーチ(研究成果を一般社会に伝えること)の重要性を主張されている鎌田氏の本だけに、読みやすく、またそれでいて内容もしっかりしています。そこはさすが岩波新書。
火山噴火の概要、予知の現状、減災の方法など2007年当時での火山学の最先端を知ることができます。
なぜ噴火の前兆現象として火山性微動が重要なのか、噴火のタイプ別による災害の種類の違いなど、火山噴火のニュースを読み解く際に役立つ情報や、地震予知よりも噴火予知のほうが実用段階に達している、など興味深い情報満載でした。
災害をもたらす元凶という負のイメージで火山を見るのではなく、豊かな自然(景観や肥沃な土壌と農産物)をもたらしてくれる存在や信仰の対象など、火山に対する著者の愛情や畏怖の念が感じられる一冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書(自然科学)
感想投稿日 : 2016年5月21日
読了日 : 2016年5月21日
本棚登録日 : 2016年5月21日

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