初代「はやぶさ」の旅路をふりかえりつつ、先日打ち上げられた「はやぶさ2」の技術的背景と、日本の今後の宇宙開発に向けての提言を述べた本。「はやぶさ2」に関する本は数多く出版されていますが、日本の宇宙開発に造詣が深い著者のこの本は信頼感があると思い、手に取りました。
探査プロジェクトはその立ち上げから考えると20年を越える時間スケールが必要(初代「はやぶさ」もルーツは1985年にさかのぼる)で、初代「はやぶさ」で蓄積された技術を継承するためにも世間の注目が集まる今こそ「はやぶさ2」の次の探査プロジェクトを具体化する必要があると著者は力説します。
日本の宇宙開発が情報衛星や気象衛星など実用重視に偏重しつつある今、「太陽系探査などの純粋科学に限りある予算(出所は税金)をどの程度振り向けることができるのか」は、政府が定める「宇宙基本計画」に沿って今後の宇宙開発が進められる状況である以上、我々国民の意識次第であるという著者の主張は重要な意味を持つと思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新書(自然科学)
- 感想投稿日 : 2014年12月23日
- 読了日 : 2014年12月23日
- 本棚登録日 : 2014年12月23日
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