原発敗戦 危機のリーダーシップとは (文春新書)

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  • 文藝春秋 (2014年2月20日発売)
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福島第一原発での事故対応に関して、危機に際してのリーダーシップのあり方、組織のあり方にスポットをあてたノンフィクション。「事故対応で有効に機能したのは自衛隊だけで、それは自衛隊がそもそも何が起こるかわからない状況を常に想定して普段から訓練しているからである」との記述には納得。企業が事故を起こした後で「マニュアルが無い事が事故の原因」という論評をマスコミがする事があります。確かに、いろんな場面を想定してマニュアルを準備するのは大事だと思います。しかし事故って「そんなレアな状況はめったに無いで」みたいに人間の想像力のちょっと及ばない所で発生する事が多々ありますし、そういう状況に陥った時にいかに冷静に論理的に行動できるかという部分が組織の危機対応力につながると思います。
危機に際して情報欠乏状態になった時「断片的な情報、最初に入ってきた情報の真偽をきちんと確認することなく飛びついて行動を起こし、状況を悪化させるな。まず情報の真偽を確認せよ」という自衛隊指揮官の言葉も管理職として日ごろから心がけたい姿勢だと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション(社会)
感想投稿日 : 2014年9月5日
読了日 : 2014年9月5日
本棚登録日 : 2014年9月5日

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