図書館より
怪奇小説18作品を収録した短編集。
収録作品はどれも正当派のゴーストストーリー。ドストレートすぎてもはや書かれなくなった、という表現が正しいのかどうか分かりませんが、それだけゴシックな雰囲気が漂っています。
個人的な問題として文体との相性が良くなかったです…。展開はどれも面白そうだったのですが、海外の古い作品となるとどうしても、そういう問題が出てきてしまうなあ。
印象的なのは表題作の「ゴースト・ハント」ラジオのリポーターが幽霊屋敷のリポートを実況中継する短編。
これはリポーターが実況のようにずっとしゃべり続けているので、地の文がないので読みやすかったです。
そして徐々に一貫性がなくなり、人間性が変化していくリポーターの実況の恐ろしさたるや…。宮部みゆきさんがホラー系のアンソロジーで選んでいた作品なのですが、今回改めて読んでもやっぱり怖かったです。
「目隠し遊び」も数ページの掌編で読みやすく怖かったです。農夫が頑なに一つの言葉を繰り返すラストは、下手な恐怖シーンの描写よりよっぽど想像力が喚起され、怖くなります。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ホラー・怪奇・幻想・パニック
- 感想投稿日 : 2015年5月14日
- 読了日 : 2015年5月11日
- 本棚登録日 : 2015年4月29日
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