サイバー・インテリジェンス(祥伝社新書) (祥伝社新書 434)

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  • 祥伝社 (2015年9月2日発売)
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感想 : 24
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わたしにとっては大変衝撃的な危機感を持つ本でした。

「戦争論」で有名なクラウゼヴィッツの一文「戦争とは力をもってわが意思を相手に強要することである」を、これこそが戦争の定義だと思う。「力ずくで相手国を従わせること」と解説してくれています。

その戦争の「力」を三つの力、軍事力、お金・経済力、知恵・情報力の、軍事戦争、経済戦争、情報戦争の中で、世界はすでに今、情報戦争の時代に入っている、と警告を発せられています。

いまの日本は完全に、アメリカだけでなくて、近隣諸国からも「情報戦争」でいいようにやられっぱなしです。

武器の代わりに情報を武器として使う、目に見えないように自分たちの意思を強要する。
他国を貶めることで、自分たちの国のステータスが上がり、製品が売れて、情報を操作することによって自国に有利になるのなら、それで目的は達成される。

第5章では日本のサイバーインテリジェンスの状況と問題点、重要性を書かれていています。

近代国家のもっとも重要な役割は、そこで暮らす人々の安全な生活を保障すること、とりわけ外敵から国民の生命や財産を守ることである。

世界はすでに「情報戦争」の真っただ中にあり、世界各国がサイバーインテリジェンスに力を入れている今、周囲が急速に進む中、日本だけがゆっくりと進めば、それは事実上の後退なのだ。

インテリジェンスに必要なのは選別と分析の能力
日本のインテリジェンスが弱い理由
意図的に組み込まれた「構造的欠陥」
独力では決して戦えない仕組み
専門家を養成しにくい人事システム
日本がカルタゴの轍を踏まないための、カルタゴの運命に何を学ぶか

この本の出版は2015年です。
いまの日本の状況は経済力も落ちて、自然災害も多くて、5年前よりもさらに悪くなってしまっているようにしか思えません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年9月24日
読了日 : 2020年9月24日
本棚登録日 : 2020年9月24日

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