エリート会社員時代に鬱を患った作者。
その周辺の苦悩と行き詰まり、出口を探してもがく様子が語られるものの、鬱からの脱却がこの本の主軸ではない。
これは、一人の会社員男性の個性化の過程である。
読後、彼の経歴を調べてわかった、最終的には定年までその会社で勤め上げたこと。ライフワークを見つけてからも、会社からは去らなかった。
多くの転身者を取材し続け、「こころの定年」を定義づけた著者だが、彼の選択はそれだった。
そこがなんだか、逆に清々しかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2023年3月23日
- 読了日 : 2023年3月23日
- 本棚登録日 : 2023年3月23日
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