海外編に引き続き国内版も読んだ!どれもこれも面白い傑作ばかり。特に書籍未収録の作品が多いらしく、お得な気分。漫画やエッセイなども含まれる多角的な短編集だった。解説や作者紹介で名前だけ出てきた作品にも気になるのが多いので、また読みたい本が増えてしまった。以下は特に感想を述べてみたいものに少しずつコメントを残す。
上下左右
あまりにぶっ飛んだ寄想。日本SFのビッグ3、その一角の実力を叩きつけられた感覚だ。
夜の記憶
不思議な海洋生物の文明と未来を生きる二人のカップルがまさかあんな決着を迎えるとは!自己同一性と連続性、自我と感傷と何やらサイバーパンク的なテーマでもある。
海原の用心棒
西部劇めいた内容だが、ならずものと用心棒は無人と化した人工知能付き潜水艦 市民はクジラという面白い内容。クジラの言語や名前、価値観などの文化の描写が面白く、緊迫感ある戦闘描写も楽しい一冊。自分がポストアポカリプスとそこにある人類の遺物がどんな風に捉えられるかの描写が好きなのもあり、岩鯨すなわち潜水艦の描写も良かった。ラストの寂しくかつ爽やかな結びもヨシ!
さいたまチェーンソー少女
タイトルからしてパワーに溢れている。臓物とバトルと少女の情念をここまで見事に描き切るとは素晴らしい。
Four seasons 3.25
理論が難しいが中々の楽しい 現実を文章の記述に準えるような設定と理論、それを全ての民意による願いが叶うユートピアとしている舞台設定が面白い。ラストに主人公の願いが別の願い、どこか彼もまたどこかで望んでいたかのうよな願いに書き変わるシーンはなかなか鮮烈だ。
- 感想投稿日 : 2023年11月8日
- 読了日 : 2023年11月8日
- 本棚登録日 : 2023年11月8日
みんなの感想をみる