こころ ─まんがで読破─

  • イースト・プレス (2007年8月1日発売)
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本棚登録 : 158
感想 : 15
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高校の時、現代文で習った作品。
教科書に載るのは作品の一部なので、確か夏休みの宿題で教科書にない部分までプリントして配られて、それを読んだことはあったのですが・・・こんな話だったっけ?

「先生」とKとお嬢さんの恋と裏切りの話・・・という認識でいましたが、ひょっとしたら配られたプリントも全文ではなかったようで。
私が知らなかった話は「学問なんて何の役にも立たない」なんて先生が言い出すもんだから、ひょっとしたらそこ省いて配ったな。

そんな状態だったので、私はやっとまんがで「こころ」の全体像を知ったと(実は読書感想文用の本紹介で「こころ」載せちゃったけど、実は私、全文を知らなかったなんてとんだ大恥やわ^^;)いうことですが、全体を読み終えるとなんだか沈鬱な気分になってしまいました。

今思えば、これを高校生の時に全文読んでいたらどう感じていたかな。「明治の精神に殉死する」の意味はほぼ絶対わからんかったと思いますが、かつて叔父さんを「裏切者」「あんな人間にはなりたくない」と思っていたのが結局、自分(先生)もKに対して裏切ってしまったことを深く悔やむ気持ちが重すぎたかもしれません。
そして皮肉なことに、裏切りの末に得た最愛のお嬢さんのことも苦しめることになってしまったことがやりきれない気持ちになっただろうな、と思います。アラフィフが見えてきたおばちゃんになった今、読んでもこんなことを考えました。歴史に関心を持つようになったおかげで「明治の精神に殉死」の部分も「当時の人ならそう考える人も少なくなかっただろうな」程度のことは思えるようになったので、年を取ってから読んだのは悪くなかったかも、という気もします。

ひょっとしたら、中高生に薦める本ではなかったかも。
夏目漱石ならやっぱり王道の明るい作品「坊ちゃん」や「吾輩は猫である」あたりにしたほうがよかったかな。
ちょっと後悔。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 【コミック】その他
感想投稿日 : 2018年9月3日
読了日 : 2018年9月2日
本棚登録日 : 2018年9月2日

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