各国を個別事象的に見て、ある国を「先進国」、またある国を「後進国」とラベリングするのは狭小な「単線的発展段階論」であると断じ、近代以降の世界は一つの巨大な生き物、有機体の展開過程の如く捉えるべきだとする論が主旋律。
封建制の崩壊と国民国家の成立に端を発し、その後スペインとポルトガルによってもたらされた大航海時代が近代世界システムの成立を告げ、やがてオランダ、イギリス、アメリカと、ヘゲモニー国家の覇権を巡って各国が「中核」の座を争った陰には、「周辺」として極度に低開発化された国々が。それはさながら「光」と「影」であり、この近代世界に影を落としてきたのは紛れもなく中核国そのものである。
この「世界システム」というスキームは、国際社会を見る視座を確実に一段高めてくれるものであり、また未来予測にも大変有益と感じる。
よく歴史は線で考えろというけれど、その一歩先、「複線」で考えるイメージかな。非常に勉強になったし、読み物としてシンプルに面白かったです。
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- 感想投稿日 : 2017年12月13日
- 読了日 : 2017年12月13日
- 本棚登録日 : 2017年12月13日
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