なにものだろう。
本来、日本語には「黒」「赤」「白」「青」の四色しか「色」を示す言葉はない。
当然、自然界にはそれですべてを表現できるものではない。
だから様々な物や現象、状態などでその違いを表す。
「黄」「緑」「紫」「灰」「紅」「橙」「藍」……。
「白」は難しい。
他の色と少しでも混ざると、少し薄まるが「そちらの色」になってしまう。
でも「白」に言わせれば、「彼らのとげとげしさを少し和らげてあげてる」っていうかも。
全ての絵の具を混ぜると暗い灰色になる。
それを救うのは白で、潰すのは黒。
文章と翻訳の妙もさることながら、
紙質の変化、挿入されたモノクロ写真、段落と余白
これら合わせて「すべての、白いものたちの」という作品ができている。
残念ながら、
読んですぐ感動できるほど、もう若くない。
読んですぐ理解できるほど、まだ人生を達観していない。
また雪の日にでも読むことにしよう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外小説
- 感想投稿日 : 2022年3月24日
- 読了日 : 2022年3月22日
- 本棚登録日 : 2022年3月13日
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