コードネーム・ヴェリティ (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2017年3月18日発売)
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感想 : 50
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ヴェリティ=真実、
記録された歴史の裏にある人々の思いこそ、戦争の真実である。

「スパイと飛行士」ふたりの女性。
ドイツ占領下のフランス。

作者のあとがきでは「マディとジュディーは私の空想から生まれたフィクション、舞台の都市名もその他の登場人物も架空、でも、一つ一つのエピソードは真実」と、さまざまな文献等から探り当てて織り込んだことがらに、この物語にかける熱量が伝わる。
そのすさまじさにより、男の戦場には表されない現実の戦争の残酷さを、まざまざと見せつけてくれる。

二人の主人公の語りの世界
第一部、とらわれたスパイのゲシュタポのための手記に描かれた“小説のような”独白は、いつまでも溺れていて出口のない夢のようなできごとに、奇妙な感覚を覚える。
一転して、第二部では占領下のフランスでのレジスタンス活動の緊迫感が押し寄せ、夢を見ている暇はない。

そして、二つの物語が出会い、
一瞬の笑顔と叫び声「キスして、ハーディー、今すぐに!」……。

言葉にならない……。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ミステリー小説
感想投稿日 : 2021年12月6日
読了日 : 2021年12月4日
本棚登録日 : 2020年12月20日

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