南方熊楠 地球志向の比較学 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社 (1981年1月7日発売)
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本棚登録 : 372
感想 : 22
5

巨人、南方熊楠を紐解く❗

柳田国男研究者であった著者だからこその論法がキラリと光った作品だと個人的には感じられた。

共に日本の民俗学の創始者でありながら、決定的に異なる柳田と熊楠との比較然り、熊楠自身の比較研究法然り…

そしてやはり面白いのは『南方曼陀羅』だ。

一途で、誰よりもピュアで、感受性がズバ抜けて豊か。もちろん探求心が強く、研究熱心でいて、義理人情に厚い。先を見越した広い視野で「幸福とは何か」を追求した巨人。

決して平坦な人生ではなかったが、己を貫いた巨人の側面を的確に指摘した、とても読みやすい作品だった。

巨人、熊楠に惹かれるものを感じる方は一読の価値ありだと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 学術
感想投稿日 : 2020年6月21日
読了日 : 2020年6月21日
本棚登録日 : 2020年6月21日

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