楽しもう。瞑想:心に青空が広がる (光文社知恵の森文庫)

著者 :
  • 光文社 (2011年10月12日発売)
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感想 : 20
5

2021年12月29日読了。
大変参考になる内容だった。
思考の4つの要素や、欲求が起こるメカニズム、欲を愛に変える愛転化法は日々の自己観察、癒しにとても役立つもので嬉しい。
自分用に、下記の要点をまとめた。

~実践瞑想~
・思考の優先順位を後回しにする(後で考えようと「済みラベル」を貼ってマントラに戻る)
・集中(マントラ)→気付き(思考の種に気付く)
→棚上げ(思考の種を棚上げする)の浄化三手順
・オーン、ナーム、スバーハー(Mマントラ)
・映像がたくさん出てくる人は「青白け光る小さな一点」(ブルーパール)を定点にする
・思考の種は大きいものから順番に出てきて、最後の頃にはとても小さな思考のだけどになってくる。言葉の断片や「思い」の気配のようなものになってくる。
・雑念は次の順番で出てくる。
①五感からの情報(五感情報)
音、匂い、光、振動、痛み、痒み、温度など
②気がかりなどの情報(懸案情報)
懸案、心配、仕掛かりの仕事、約束事、
疑問、スケジュールなど
③整理すべき情報(記憶情報)
体験、経験、出来事、記憶すべきことなど
・どんなに力がある時でも長くて15分まで

~境地瞑想(第二段階)~
・努力しない、何もしない
・「内部の過去の情報」、「内部のその他情報」を取り扱う
(プログラムや過去の懸案情報などが含まれ、いずれも頭のとても深いところにある)
・起こることは「過去のライブラリーが見られる」「プログラムの変更ができる」「エクスタシーが得られる」の三つ
・その他、身体の自動ストレッチ、空を飛ぶ感覚、宇宙と一体化したような感じなど心身ともに不思議なことを体験する
・プログラムとは、体験→解釈(学習)→行動指針として覚えていること
・境地瞑想中にプログラムの原体験を再体験→終わった瞬間に新しい解釈による新しいプログラムにその場で置き換わる(古いプログラムの見直しがされた)
・エクスタシーは何かを考えていたら起こらない

~その他~
・頑張ってはいけない
手段(浄化三手順)を目的化しない
・思考の種を片付けることが目的(実践瞑想)
・思考の種がなくなったら、何も期待しないで、じっとそのままの状態でいることが大切
・初めて第二段階に入るときはちょっと怖い
・そのちょっとした怖さが、「マインドをいつまでも携えていたい」と思うことになる
・棚上げのつもりで「棚卸し」をしない
・「本当に棚上げして、綺麗になったか確認する」という確認作業自体が、新しい思考
・境地瞑想に行きたくないマインドは思考停止を妨害してくる
・マントラを軽視すると思考が片付く
(マントラを重大視する(大きく見立てる)と、それより小さな思考の種が片付かない)
・呼吸はマントラの代用にも十分なる(定点)
・但し、呼吸に集中(マインド)したまま、第二段階に行くことはできない
・第二段階に行くときには、呼吸は呼吸に任せて、気にならない、意識しないことが大切
・マントラも最後に棚上げするように呼吸に対する意識も最後は棚上げすることが必要
・「怖い感覚」に飛び込む勇気が必要
・どんな怖い映像が出てきたとしても、たじろがない。それは頭の中の単なる情報
・マインドがあれこれ画策しているだけ
・怖いものが出てきた時は、じっくり観察
・マインドの想像力の限界がくる、マインドの負けに決まっている
・怖いものや怖い感情は、大方は自分を守ろうとするプログラムが反応して生じている
・そのプログラム抜去の前触れの場合もある
・「怖い」という感覚は瞑想では歓迎だ

・身体の自動的なストレッチや古いプログラムが変更されるとき、それを実施しているのはマインドではなく「本来の自分」
・瞑想中に不利なことは決して起こらない

~しぶとい案件~
・大風呂敷棚上げ方式
「個別命名方式」
出てきた案件に名前をつけて棚上げする
病気の件、試験の件、破産の件など
「四文字言葉方式」
「大願成就」「商売繁盛」「無病息災」
「家内安全」など望みを四文字で認識する

・恨みなどの堂々巡り案件
棚上げできないようであれば一旦瞑想をやめて、堂々巡りをしてる事にしっかり気づき、堂々巡りを続けても私が幸せになることはないのだと現実をしっかり認識する
考えれば考えるだけ思考エネルギーの消耗であり、損になるとマインドにもわかるように「損得勘定」で理解しておく
「恨みの堂々巡りの件」などと命名し棚上げ
そのことを考えなければ、実は苦しみもない

このような堂々巡りの「ループ地獄」は、
恨み、復讐、後悔、失望、落胆
など、過去の案件がこの形になりやすい
「論理的に決して叶うことのない願望」がセンテンスに入っているとこのパターンになる

自分の行動を責める→すぐ「後悔」になる

他人の行動を責める→すぐ「恨み」になる
→それを高速で回していると、ついには「復讐」「仕返し」を決行したくなってくる

「無限地獄」
人間にはいくら考えてもわからないこと
→思考エネルギーの浪費、無駄遣いだと認識
棚上げして先送りする

「相反地獄」
相反する欲を同時に満足させる答えは出ない
「この考え方は矛盾している」と理解する

「入れ子地獄」
火元を確認した)←それを確認した)←それを確認した)←それを確認した?
「確認した」のを確認したか?が永遠と続く
これはマインドの「思考機械としての特性」

~備考~
・少々片付いていなくても、第二段階に入れるのなら入った方がよい
・第一段階の「思考の種」が十分片付いたら
マインドは現在情報についてすることがなくなり「過去の未整理事項でも整理するか」
と第二段階に進み、過去に向かう

~思考と欲と感情との関係~
・マインドは自分のほうから「欲求」を取り消すことは禁じられており、自分自身で「満足した」というサインを出すことはできない
・マインドはどんな欲求も、それが充足されて、満足サインが来るまで頑張る
・マインドは欲求そのものを「なし」にするこてとはできない
・「肉体的な欲求」は欲求が満たされると「満足サイン」が来て欲の回転は止まる
・「精神的な欲求」は、どこからも「満足サイン」が来ないため、止まらずキリがない
キリのない欲を止める以外に方法はない
不満足が続くばかりで幸せにはならない

【肉体的欲求の場合】
[生理感覚]→[欲求]→[対策思考]
→[行動案]→[検証・抑圧等]
→[情動起動]→[感情]と進む
(行動案がただちに行動できない場合に情動起動が起き感情が発生する。逆に言うと、ただちに行動に移せれば不要な感情は発生しない)

【精神的欲求の場合】
[判断思考]→[欲求]→[対策思考]
→[行動案]→[検証・抑圧等]
→[情動起動]→[感情]と進む
判断思考、というマインドが先行して仕事をしている部分があることを覚えておく

・肉体的欲求は生理感覚がスタート地点
・精神的欲求はマインドが「思考」したことがスタート地点
・思考がなければ欲もない

[情報受信(バッグの映像等)]→
[判断思考]→[欲求]→[対策思考]→
[行動案]→[検証・抑圧等]→
[情動起動]→[感情]

・欲求ではなく、「判断思考」をやめる
「情報受信」を認識しただけでそこでやめる
・「綺麗だな」「使いやすそうだ」という「判断思考」が起きなければ、その先の「私も欲しいなぁ」という「欲求」も起こらない
・[判断思考]を走らせなければ[欲]は現れてこないということ

~思考は4サイクルで回転~
得たい(get) → 保持したい(hold) →
比較したい(compare) → もっと(more)
という4つの要素で回転している

~愛転化法~
欲を愛に変換すると思考の回転が変わり、
欲が消えて、欲の呪縛から逃れられる

get (得る)/欲する → give(与える)/愛する
hold(保つ)/執着 → leave (自由・放つ)/笑い
compare(比べる)/比較 → accept(認める)/大肯定
more(もっと)/不満 → enough(足る)/感謝

・比較は非難や怒りに結びつきやすい
・正不正、善悪など、この比較をやめればすぐにその思考が止まり、他人への怒りや、
恨みや、他人を裁こうとする気持ちが消える
・比較の反対は大肯定、あるがままを認める
・執着の反対は笑い(自由、放つ、忘れる、落とす)
・瞑想中の「棚上げ」にも8要素表を使う

お釈迦様の言葉<ダンマパダより>
「かれは、われを罵った。
 かれは、われを害した。
 かれは、われにうち勝った。
 かれは、われから強奪した。」
という思いをいだく人には、
怨みはついに息(や)むことがない。

・「欲」がなくなれば、すぐに、
 「愛」が溢れる
・修養とは、自らが、もともと「大幸福」であることを思い出し、再認識する作業
・いま執着しているその不幸を取り除くだけ
・既に持っている幸せというのは、想像をはるかに超える巨大なものだとすぐにわかる
・莫大な幸せを既に持っていることに気づく
・修養とは、つまり、その膨大な幸せを感じられなくしている、自分のマインドの変な働き方を制止するだけのこと
・宝物を隠しているシーツやブランケットを、単に取り去るだけ
・マインドは将来の不安を取り除こうとする
・「死」を怖がっているのは自分のマインド
・「存在の至福」「真悟」
・マインドは死んでも、自分は存在するのだ
私自身は死ぬことも消えることもないのだ
そう実感すること
生きているうちにはっきりと体験すること
・それを歓喜の中で体験します
・「肉体とマインド」の両方を従えている期間が、とても貴重な大切な期間に思える
生きているというその時しか、肉体とマインドは使えないのだから
さらに、自分の肉体とマインドのケアをしっかりしようと思い直す

以上

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月27日
読了日 : 2023年1月4日
本棚登録日 : 2021年10月20日

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