夏みかん酢つぱしいまさら純潔など (河出文庫 す 15-1)

  • 河出書房新社 (2019年6月5日発売)
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本棚登録 : 53
感想 : 5
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先日、Twitterで知った、戦後、娼婦俳句、パンパン俳句などと呼ばれ注目されるもその後消息を絶ち消えてしまった俳人、鈴木しづ子の句集「春雷」と「指環」の2冊に評伝を合わせたもの。(ボリューム的には2/3を評伝が占めてるけど)
句集も良いけど、評伝がかなり頑張って調べており興味深い。
「体内にきみが血流る正坐に耐ふ」という句はイメージとして妊娠を想起させるけど、「きみ=母」であり母娘の関係を句にしたものであることを解き明かしたり、雑誌に投稿された句が実は過去にまとめて送られてきたものを師である松村巨湫が都度投稿されたかのように偽装したものだった(俳句の世界では良くあることなんだろうか?)とか読み物として面白い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年4月26日
読了日 : 2021年4月26日
本棚登録日 : 2021年4月25日

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